韓国企業・自営業者の借金が63.9兆ウォンも増えるという事態になっています。
2022年06月03日、『韓国銀行』から「2022年第1四半期預金取扱機関産業別貸出金」というデータが公表されたのですが、これが驚きの結果なのです。
まず、全産業貸し出し金残高は2022年第1四半期末時点で「1,644兆7,000億ウォン」に達します。
前四半期、2021年第4四半期末と比較して「63兆9,000億ウォン」も増加しました。
この「63兆9,000億ウォン」は、2020年第1四半期 ⇒ 第2四半期に記録した「69兆1,000億ウォン」に次いで、史上2番目に大きな増加額です。
ご注目いただきたいのは、サービス業の貸し出し金額が「1,073.6兆ウォン」(65.3%)に達している点です。増加した63兆9,000億ウォンのうち「46兆4,000億ウォン」がサービス業です。
コロナ禍に対するいわゆるK防疫で「営業制限」などが行われ、サービス業は大きな痛手を被りました。そのため、サービス業は借り入れを増やして凌いできたのです。この傾向がいまだに続いていることを示しています。2年もの間、売上の減少に苛まれてきたサービス業の苦闘はまだ回復してはいないのです。
『韓国銀行』は製造業の借り入れが「13兆2,000億ウォン」増えたことについて以下のように言及しています。
「通常、製造業は年末に債務比率を調整するために借り入れ金を返済し、第1四半期に再び借り入れる。
そのため貸し出し金の規模が増えるが、そのような点を勘案しても第1四半期の貸し出し金の増加幅は顕著な水準」
製造業で貸し出し金額が増加しているのは、原材料価格の高騰、またウォン安傾向が継続されていることが原因と見られます。運転資金(賃金・利子負担と原材料の買い入れなどに使われる資金)も大きく増えたのです。
借金が増えるのは必ずしも悪いことではありませんが、先にご紹介したとおり企業の投資は減っています。つまり、投資を行うために借り入れが増えているのではなく、企業を維持するために借金している――と見られるのです。これはあまりいい話ではありません。
(吉田ハンチング@dcp)