韓国のディスプレー産業は中国に敗北。韓国は首位から転落

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かつて日本は世界の液晶ディスプレー市場の50%を占めていました。

韓国は2004年に日本のシェアを逆転。世界一と誇ってきたのですが、2021年に中国に世界一の座を明け渡しました。17年ぶりの首位からの陥落です。

韓国を抜いた中国の猛追!

以下が『韓国ディスプレイ産業協会』のデータによる、韓国・中国の世界シェアの推移です(売上高基準)。

LCD(Liquid Crystal Displayの略:液晶ディスプレー)の分野ではもはや中国企業の安値攻勢に勝つことはできず、2021年には『サムスン』グループはLCDの製造終了を発表。

OLED(Organic Light Emitting Diode:有機EL)ディスプレー、また次世代に普及するとみられる量子ドットディスプレーの方に注力するとしていますが、そちらでも中国企業は長足で進歩しており、韓国企業が追いつかれるのも時間の問題と見られています。

ずいぶん前にご紹介したことがありますが、あの王東升さん率いる『BOEテクノロジー』はじめ中国企業が猛追しているのです。

ディスプレーはスマホに装備されますので、これがメーカーにとって大きな需要です。特に『Apple(アップル)』のiPhoneに採用されることは大きな売上となります。

リサーチ会社によると、

2022年「iPhone14」
『サムスンディスプレー』:1億3,700万台(65%)
『LGディスプレー』:5,300万台(25%)
『BOE』:2,000万台(10%)

の採用と予測されています。『BOE』はひたひたと韓国企業を追っています。iPhone13の『BOE』のパネル価格は約50ドルで、『サムスンディスプレー』『LGディスプレー』より安価と推測されています。

韓国企業から抜けた人材が中国へ

韓国企業にとって痛いのは人材が中国企業へ流出していることです。

例えば『Nikkei ASIA』は、『サムスンディスプレー』『LGディスプレー』から100人以上の人材が中国企業に転職した、と伝えています。

(前略)
But their drawn-out battle came with the cost of allowing their Chinese rivals to get ahead. Over 100 South Korean display engineers have moved to China in search of better-paying positions. Dozens are working to set up a mass-production line at BOE Technology Group’s OLED factory in China, a source familiar with the matter said.
(後略)

しかし、この争奪戦の代償は、中国のライバルの台頭を許すことになった。

100人以上の韓国人ディスプレー技術者が、より高収入の職を求めて中国に移った。

そのうちの数十人は、『BOE Technology Group』の中国にあるOLED工場で量産ラインを立ち上げるために働いていると、この問題に詳しい関係者は述べている。

⇒参照・引用元:『Nikkei ASIA』「Samsung-LG court battle ends in win for Chinese OLED panel makers」

2021年に中国はディスプレー産業で韓国を追い抜くことに成功しました。韓国企業がこれを覆すのは相当難しいでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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