韓国メディア『中央日報(日本語版)』にとても面白い記事が出ています。
日本メディアが「悪い円安」と書きますし、韓国にとっても「悪い円安」なものですから、識者に「悪い円安だ」と言わせたかったのでしょうが、返り討ちにあった模様です。
他でもない榊原英資先生にインタビューをした記事です。以下に記者と榊原先生のQ&Aの部分を記事から一部引用します。
(前略)
Q:円はあとどれだけ下がるだろうか。150円台にも最近言及したと理解しているが。A:いまの状態が続くとみている。
米国が金融緊縮をし、日本が金融緩和を持続すればだ。黒田総裁が会議でも言及したりもした。(金融緩和が)続けば円安がいまよりさらに進むので150円か150円を突破する可能性もないだろうか。予想だが。
Q:150円台まで円が下がれば通貨危機水準ではないか。
A:そうではないとみる。
いま米国は利上げをとても速いスピードでしている。そのため米国経済が過熱された状況で、少しインフレがあるので金融緊縮に入ったものとみる。
Q:外部から見ると日本は円安に危機感がないように見える。
A:危機感はないとみる。
理由が確実にあるからだ。米国が利上げをしており、例えば「日本売り」ではないからだ。
そうした意味で危機状況ではないと私は判断している。一般的な判断だと考える。
Q:悪い円安という評価もあるが。
A:私はそのように考えない。
先に話した通り、(通貨価値下落は)日本だけがそうなのではない。日本と米国の金融政策差により円安になったり円高になったりもするので、悪い円安ではない。
Q:黒田総裁はなぜ金融緩和を持続するのか。
A:日本が景気回復途中にあるので景気回復を確実にするため緩和を持続する必要があるというのが総裁の考えだとみる。
私はそれが正しいと考える。
日本の経済成長という面で、2013年からずっと(金融緩和)続けてきたのが日本経済においてはプラスになったと考える。
概ね日本は1%程度の成長を続けてきたが、来年から再来年まで2%程度になるのではないかと予測されている。
日本経済は順調に景気回復をしており、デフレからも抜け出している。
(後略)⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「ミスター円『日本は景気回復中』」
この記者は、
「どこまで円安が進むのか」「150円まで落ちたら通貨危機では?」「日本には危機感がないのでは?」などと、榊原先生にナニを言わせたいんだ、というような質問をたたみかけていますが、先生は全て一蹴していらっしゃいます。
榊原先生の無双ぶりが傑作です
日本は「1ドル=150円」で通貨危機になったことはありません。
韓国は「1ドル=1,300ウォン」超えで通貨危機になったことがあるのですから、日本の心配するよりも自国のことを心配するべきです。
これは邪推かもしれませんが、「日本を貶めてやろう」という意図でインタビューに行ったら見事に返り討ちにあった――という記事なのではないでしょうか。
ぜひ、上掲リンクから記事全文をお読みくださいませ。
(吉田ハンチング@dcp)