韓国には主に5つの自動車会社があります。
・『起亜自動車』
・『韓国GM』
・『ルノーサムスン』
・『双竜自動車』
です。
『起亜自動車』は『現代自動車』のグループ企業となっており、これは韓国のドメスティックな会社といえますが、『韓国GM』はアメリカ合衆国『GM』グループ、『ルノーサムスン』はフランス『ルノー』グループ、『双竜自動車』はインド『マヒンドラ&マヒンドラ』グループの傘下。
つまり『現代自動車』『起亜自動車』以外の3社は(韓国からすれば)外資系自動車会社です。
この外資系3社の韓国内での存立自体が危ぶまれる事態となっています(もちろん『双竜自動車』はすでに破綻して法定管理下に入っています)。
外資系3社の韓国内シェアは合わせて「9.8%」しかない
韓国メディア、また時に日本メディアでも『現代自動車』『起亜自動車』が絶好調!といった記事を見るようになっていますが、『韓国GM』『ルノーサムスン』『双竜自動車』の3社については良い話は出てきません。理由は売上も下がり、経営が危ないからです。
その証拠に韓国内での販売台数も下落しているのです。
2021年上半期、韓国内での新車販売台数は「90万862台」でした。その内訳を見ると、以下のようになっています。
『起亜自動車』:27万8,384台
現代グループ小計:66万4,479台
外資系自動車会社
『韓国GM』:3万3,160台
『ルノーサムスン』:2万8,840台
『双竜自動車』:2万6,626台
3社小計:8万8,626台
輸入車:14万7,757台
外資系3社は合計で10万台にも達していません。特に『韓国GM』は前年同期比で「47.8%」も減少しているのです。
これをシェアで計算すると以下のようになります。
現代グループ:73.8%
外資系3社:9.8%
輸入車:16.4%
韓国内で現代グループの自動車販売台数のシェアが「73.8%」と圧倒的になる一方で、外資系自動車会社のシェアは3社足しても「10%」を切るのです。
また、注目ポイントとしては『メルセデスベンツ』『BMW』を筆頭に輸入車のシェアが「16.4%」にも達しています。ちなみにこれは『韓国輸入自動車協会』が統計を取り始めた2003年以降で最大の数字です。
外資系3社のシェアはほぼ半分になった
外資系3社がいかに弱っているかを示す以下の数字を見てください。2017年上半期とのシェア比較です。
2017年上半期 | 2021年上半期 | |
『韓国GM』 | 8.1% | 3.7% |
『ルノーサムスン』 | 5.9% | 3.2% |
『双竜自動車』 | 6.0% | 3.0% |
3社ともシェアの下落がひどくほぼ半分になっているのです。このため、『双竜自動車』はすでに破綻して法定管理下にありますが、3社全てで業績は悪いのです。
先にご紹介したとおり、このように韓国内でのシェアが半分未満(8.1%⇒3.7%)になっている『韓国GM』ではまた賃上げ闘争が起こっていますし、『ルノーサムスン』でも賃上げ交渉を続けています。
生産性が低い上に売上が立たない(販売台数が伸びない)わけなので、外資系3社の危機は起こるべくして起こった結果だといえるでしょう。言葉は悪いかもしれませんが「自業自得」です。
(吉田ハンチング@dcp)