『大韓航空』の例の土地問題です。ソウル市はこの期に及んでまだ民間企業をいじめています。
韓国航空業界最大手の『大韓航空』も経営難です。座席を取り払って荷物を運ぶなどして必死の努力をしていますが、ドル箱の海外線で旅客が回復しないので運転資金すら苦しい状態が続いています。
そのため、例の土地問題です。知らない人のために説明しますと、『大韓航空』はソウル市の鍾路区松峴洞(ソンヒョンドン)に敷地面積「3万7,000平方メートル」の広大な空き地を所有しているのですが、これを売却して資金に充てたいのです。
しかし、ソウル市が勝手にこの土地を「公園にするよ」と指定し、売るに売れない状況となってもめていました。
「これまでのあらすじ」は本稿末を見ていただきたいのですが、とどのつまり、スグに資金が必要な『大韓航空』はソウル市に土地を売却することにしました。
2020年11月26日に両者は最終合意に署名する予定です。しかし、値段でまだもめています。
ソウル市:4,670億ウォンで買うと主張
『大韓航空』はすぐに資金が要るのに、ソウル市側は「10%をまず支払って残りは2022年支払い」などというふざけた条件を出していましたが、これがどうなったかも気になるポイントです。
何度もご紹介していますが、これは地方政府による明らかな民間企業いじめです。よくこんな話がまかり通るものです。
<<これまでのあらすじ>>
①『大韓航空』は、ソウル市の鍾路区松峴洞(ソンヒョンドン)に敷地面積「3万7,000平方メートル」の広大な空き地を所有している。
②『大韓航空』はこれを「5,000億ウォン」で売却して資金繰りに充てたい。
③ところが、ソウル市が勝手に「この土地を公園にしまーす!」と整備計画を発表。
④当然『大韓航空』は「ふざけるな! オレの土地だぞ」とカンカン。
⑤「じゃあ、その土地買おうじゃないの」とソウル市が相談を持ちかける。
⑥「5,000億ウォンだよ」と『大韓航空』が答える。
⑦「2,000億ウォン(台)で買うよ。それでいいだろ」とソウル市が言う。
⑧『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
⑨「ちぇっ。じゃあ公示価格に補償倍率をかけて、4,666億9,300万ウォンで買うよ。あ、建物があるからそれの補償費の4億4,000万ウォンも付けよう。計4,671億3,300万ウォンで買おうじゃないの」とソウル市が言う。
⑩「ふざけんな、時価より安いだろうが!」と『大韓航空』が怒る。
⑪「で(聞いてない)、代金だけど……まず契約金として10%を来年支払って、残りは2022年に支払うよ」とソウル市が言う。
⑫絶句した『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
⑬頭にきた『大韓航空』は土地売却のため、競争入札を実施。
⑭ところが! 土地の開発許認可権はソウル市が握っているため、「落札しても開発できない可能性が高い」とどこも入札せず。
まさかの入札「ゼロ」という結果になる。
⑮ソウル市が「それみたことか」とほくそ笑み、公園化を「決まり」にしようと動く。
この間にソウル市民の一部で「これ以上公園は要らない」のデモあり
⑯『大韓航空』がソウル市を「国民権益委員会」に訴える
⑰「国民権益委員会」が調停しようとするもまとまらず
⑱仕方がないので『大韓航空』はソウル市に売却を決める(今ココ)
(吉田ハンチング@dcp)