韓国では、野党に転落した『共に民主党』と少数与党『国民の力』との対決が先鋭化しています。
もともと韓国では、政権交代が起こると前政権の事績を消しにかかりますが、今回は文在寅前政権が無茶苦茶だったこともあり、政策のちゃぶ台返しというよりも、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は火消しに追われています。
そんな中でも、前文政権高官や李在明(イ・ジェミョン)国会議員への司法による捜査の手は緩めていません。
これは、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の秘蔵っ子である韓東勳(ハン・ドンフン)さんが法務部長官に就き、三面六臂の大活躍をしていることが大きいです。
先にご紹介したとおり、「検察から捜査権を完全に剥奪する法」が09月10日から施行されますが、これを極力無効化するための「改正案」について国務会議で承認を得てしまいました。
これによって、文政権が最後に残した「自分たちが検察に引っ張られないため」の「検察から完全に捜査権を奪う法」もどこまでアテになるやら分からなくなりました。
これに対して、『共に民主党』側は猛烈に反発していますがそれも至極もっともな理由があるのです。
李在明と『共に民主党』は一蓮托生で困った事態に陥る!
まず、李在明(イ・ジェミョン)さんですが、09月09日が公訴時効となる公職選挙法虚偽違反で起訴されそうになっています。もし、起訴されて有罪となり、100万ウォン以上の罰金――という判決が出ると……大変困った未来が待っているのです。
100万ウォンといえば、ざっくり10万円ですから金額はどうということはないのですが、それよりも判決によって「5年間の被選挙権を失う」となるのが問題です。
李在明(イ・ジェミョン)さんは、疑惑まみれであるくせ人気が高く、先に「韓東勳(ハン・ドンフン)法務部長官の人気上昇」でご紹介したとおり、「将来の指導者」というアンケートで第1位に選ばれるほどです。
(全く理解できませんが)今でも次の大統領になってほしいという大勢の人がいらっしゃるのです。
李在明(イ・ジェミョン)さんは5年間は被選挙権がなくなりますので、大統領選挙に立候補することが不可能になること確定です。また、『共に民主党』は有力候補を失うことになります。疑惑だらけの人物を党首にかついだことが大失敗だったかもしれません。
さらに、『共に民主党』にとって切実なのは、「罰金100万ウォン以上の判決」が出た場合、大統領選挙で国から出ていた巨額の選挙費用を返納しないといけなくなる可能性があるのです。
これは、韓国の選挙法によって定められています。
政党の統一候補が大統領選挙に出た場合、有効票の15%以上を得票すれば、選挙費用は保全されます。
『共に民主党』は先の大統領選挙で、「供託金:3億ウォン」、「選挙費用:431億7,000万ウォン」を使いました。
合わせて「434億7,000万ウォン」。ざっくり日本円で43億円です。
大統領選挙では、『国民の力』の統一候補となった尹錫悦(ユン・ソギョル)さんと大接戦で、得票率約47.8%でしたから、この43億円は保全されました。
ところが、その候補が選挙法に違反して有罪となり、「100万ウォン以上の罰金」という判決が確定すると、選挙管理委員会は保全した選挙費用を「すっかり返還せよ」と命じることができるのです。
これは、その候補が落選しても同じです。
この決まりは、当選が全くおぼつかない泡沫候補の乱立を防ぐため、同時に選挙費用の多寡による不公平さを是正するため、さらには選挙違反をさせないためにあるわけですが、普段から口八丁手八丁でうそが多いとされる李在明(イ・ジェミョン)さんにとっては厳しいルールだったようです。
『共に民主党』にとってもです。
昨日、2022年09月08日、韓国の検察は李在明(イ・ジェミョン)さんの起訴に踏み切りました。これから裁判です。
――というわけで、李在明(イ・ジェミョン)さんに「100万ウォン以上の罰金」という有罪判決が確定したら、李在明(イ・ジェミョン)さん、『共に民主党』にとって全てが瓦解するような衝撃を与えるかもしれないのです。
(吉田ハンチング@dcp)