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韓国「米韓通貨スワップがないんだから金利を上げろ」まるでカルトだ

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Money1でも連日お伝えしているとおり、ウォン安が急進しています。韓国では「かつての通貨危機水準」「どうするんだ」の声が大きくなっています。

どうするんだも何も、基本打てる手などありません。

一般論としては、金利が上がれば通貨高方向に動きます。

そのため、金利を上げろという要求が強まっています。ただ、韓国の場合、企業負債、家計負債との兼ね合いがあるので、「!」と驚くほど上げるというわけにはいきません。

復元力がアメリカ合衆国と比較できないほど弱い韓国では、ドボン騒動に発展したら取り返しがつかないことになるからです。

『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が、残り2回の利上げ決定会議では「0.25%ずつが望ましい」と述べたのは、薄氷を踏む思いもしながらじわじわ上げないと「緊縮ショック」を起こすことを十分に理解しているからです。

韓国の識者の皆さんの中には、しかし、緊急の会議を開いても金利を上げるべきと主張する人もいらっしゃいます。例えば、『韓国経済』の記事では以下のような提言が登場しています。

(前略)
シン・セドン『淑明女子大学』経済学部名誉教授は「米韓間の金利の逆転が明らかな状況なのでドルウォン為替レートが上がるのは当然だ」とし「緊急金融通貨委員会を開いても基準金利を上げなければならない」と声を高めた。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国経済』「빅스텝 또 해야 하나…치솟는 환율에 가열되는 찬반 논쟁 [조미현의 외환·금융 워치]」

次の『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)は20~21日(現地時間)に迫っていますが、そこで0.5%(=50bp)、あるいは0.75%(=75bp)の政策金利を上げると見られます。

現在は、

アメリカ合衆国:2.25%~2.50%
韓国:2.5%

で上限では政策金利は同じですが、『FOMC』が50bpを選択した場合でも米韓の金利差は「0.5%」に開きます。

現在外為市場はすでに米韓の金利差がつくことを織り込んで動いていますが、これを止めるには緊急の会議を開催してでも韓国は基準金利を上げるべき――とシン・セドン教授は提言しているのです。

上掲の記事には、毎度おなじみの成太胤(ソン・テユン)『延世大学』経済学部教授も登場し、同様に金利を上げろと述べています。

しかし、さすが成教授で「通貨スワップ」に言及しないではいられないのです。

該当部分を引用すると、以下のような具合です。

(前略)
成太胤(ソン・テユン)『延世大学』経済学部教授は「ドルウォン為替レートが上がるのは私たちが金利の引き上げを十分にできないというシグナルを与え続けているため」とし「米韓金利逆転が現実化すればウォンの価値は落ちるしかない」と話した。

それと共に「通貨価値を安定化できる最も確実な方法は米韓通貨スワップだが、これは私たちが決めることはできないこと」とした。

その上で「従って、私たちができる範囲内では基準金利をさらに引き上げる必要がある」と主張した。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国経済』「빅스텝 또 해야 하나…치솟는 환율에 가열되는 찬반 논쟁 [조미현의 외환·금융 워치]」

成教授は「米韓通貨スワップがあればウォン安が止められる」とおっしゃっています。

ないよりはマシでしょうが、「通貨スワップ」があったところで、ウォン安が止まるかどうかは怪しいところ。連銀と無期限無制限のドル流動性スワップを締結している国の通貨も対ドルで下げていますから。

成教授の主張は「米韓通貨スワップがないんだから金利を上げろ」です。「通貨スワップ」への希望もここまでくると一種の信仰です。

韓国の「通貨スワップへの信仰に似た思い」もはや「カルト」だ
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上掲記事でもご紹介しましたが、韓国では「通貨スワップ・カルト」に根強い信者がいるのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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