韓国を巡る「ヘンな米中対決」に要注目。

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韓国ではアメリカ合衆国への反感が高まっています。

合衆国が2022年08月16日に施行した「インフレ削減法」(Inflation Reduction Act:IRA)が「韓国産の電気自動車を差別的に扱っている」と認識しており、「これが同盟国への仕打ちか」との声が上がっているのです。

インフレ抑制法とも訳されます。

このため、韓国は合衆国にあらためて幻滅し、中国に傾斜するのではないかという見方も出ています。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は親米方向に舵を切りましたが、中国との経済的な結びつきも強める方向で動いています。

2022年08月27日に、韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官と、中国の国家発展改革委員会の何立峰主任がオンラインで会議を行い、サプライチェーンでの協力強化に向けた了解覚書を締結しています。

Chip4はどうするんだ」「インド太平洋経済フレームワークは?」と合衆国が困惑するような動きです。

しかし、韓国は「安全保障は合衆国、経済は中国」を進めています。合衆国としても、中国としても、韓国がどちら側なのかを明確にさせたいところです。

そこで、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が合衆国・中国からの訪問者に会うか?が注目されています。

「アメリカのエラい人No.2」が訪韓します!

まず合衆国。

Kamala Harris(カマラ・ハリス副大統領が2022年09月27日に挙行される「安倍晋三元首相の国葬」に出席するため、日本を訪問します。

旅程は25~29日で、4泊5日で日本に滞在して、最終日に訪韓。韓国には29日の午前中に到着して午後には出国、帰路につく予定です。

ハリスさんは副大統領ですので、大統領権限の継承順位でNo.1。バイデン大統領に何かあれば、大統領職を引き継ぐことになります。

ですから、大統領権限の継承順位をエラい順とすれば、ハリス副大統領はアメリカのエラい人No.2です。

大統領権限の継承順位
1位 副大統領上院議長:カマラ・ハリス
2位 下院議長:ナンシー・ペロシ
3位 上院仮議長:パトリック・リーヒ
4位 国務長官:アントニー・ブリンケン
5位 財務長官:ジャネット・イエレン
(以下略)

合衆国の上院議長は副大統領が兼任します。そのため仮議長という役職が設けられています。

2022年08月04日、ペロシ下院議長が訪韓しましたが、ペロシ下院議長は大統領権限の継承順位でいえばNo.2。同じ言い方が許されるのであれば、ペロシ下院議長はアメリカのエラい人No.3です。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「夏休みなので」を理由に、アメリカのエラい人No.3には会いませんでした

電話では約20分間話しています。

さて、今度のアメリカのエラい人No.2訪韓の際、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は会うだろうか?――なのです。

「中国のエラい人No.3」が訪韓します!

次に中国。

韓国メディア『中央日報』が報じていますが、中国の栗戦書全国人民代表大会常務委員長が09月に訪韓する予定です(訪韓スケジュールを調整中:2022年09月01日報道)。

日本ではあまり一般に知られていない名前かもしれませんが、この栗戦書さんは、いわゆる「チャイナセブン」の中に入る超大物。

チャイナセブン
序列第1位 習近平:総書記
序列第2位 李克強:国務院総理
序列第3位 栗戦書:全国人民代表大会常務委員長
序列第4位 汪洋:中国人民政治協商会議主席
序列第5位 王滬寧:中国共産党中央書記処常務書記
序列第6位 趙楽際:中国共産党中央規律検査委員会書記
序列第7位 韓正:国務院常務副総理

狙ったのかなんなのか、栗戦書さんは「中国のエラい人No.3」です。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「アメリカのエラい人No.3」が訪韓した時には会いませんでした。

今度訪韓する「中国のエラい人No.3」には会うだろうか?――というわけです。

現在面談を調整中とリークされていますので、栗戦書さんと面談しないわけはありません。

面談が実現すると、中国は「合衆国に勝った!」「同じNo.3でも中国の方が格が上!」といえるわけです。

中国は、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がペロシ下院議長に会わなかったことについて、「中国によく配慮した」と高く評価しました。

なにせ、ペロシ下院議長が訪台した後でしたので。

大統領の面談に注目が集まる

世にもあほらしい話かもしれませんが、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「うちのNo.2には会うの?」「うちのNo.3には会うの?」と注目されている状況です。

中国が「合衆国に勝った」と言い出すかどうかご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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