2022年10月18日、韓国鉄鋼メーカー最大手『POSCO(ポスコ)』が第3四半期の業績(暫定版)を公示しました。
これがなかなか興味深い内容です。以下をご覧ください。
2022年第3四半期
総売上:21.2兆ウォン(+2.9%)
営業利益:0.9兆ウォン(-71.0%)※( )内は対前年同期比の増減
総売上は対前年同期比で「2.9%」増加しているのに、営業利益は「-71.0%」と激減しています。
2021年第3四半期の営業利益は「3.1兆ウォン」あったので、「2.2兆ウォン」も減りました。
鉄鋼業は、鉄鉱石や燃料の価格に業績が大きく左右されます。資源価格の高騰によって利益が急速に縮んだものと推測できます。
問題は、先の台風11号(2022年09月06日朝鮮半島南部に上陸)によって浦項製鉄所の高炉が3基とも停止してしまったことです。秋夕の連休を返上して復旧作業に取り組みましたが、いまだに全面正常化には至っていません。これがかなり効いたものと思われます。
復旧が遅れれば遅れるほど業績が悪化します。
韓国メディアの観測によれば、圧延設備の復旧には数カ月かかるとなっています(09月時点での報道)。『ポスコ』の鉄鋼生産が止まると、鋼板を利用する自動車、造船産業なども困ったことになるのです。
(吉田ハンチング@dcp)