韓国の高金利地獄についてです。
韓国の資金調達市場で悲鳴が上がり続けています。金利が急騰しており、企業はそれを受け入れないと資金が調達できないのです。
今度はP-CBOです。
「P-CBO」とは?
P-CBOというのは、「primary collateralized bond obligations」の略で「一次担保付き債券」と訳されます。
P-CBOは資金調達手段の一つでしばしば韓国メディアに登場しますが、日本ではあまりメジャーな単語ではありません。
そもそもP-CBOが韓国でメジャーになったのは、1997年アジア通貨危機前後です。当時、韓国企業は社債の発行だけではなく、融資の借り換えにも困難を来すようになりました。
そこで、韓国の金融当局は、信用保証基金が信用保証を付けることで引き受け手が得られやすい債券を発行できるようにしました。
これがP-CBOです。韓国では、信用保証基金、技術保証基金などが保証を提供して、主に信用度の低い中小企業・中堅企業が発行する債券となっています。信用度の低い企業でも資金調達を可能とするように考えられた金融商品であり仕組みです。
問題は、保証が付くP-CBOにもかかわらず金利が急騰しているという点です。
P-CBOの金利が3~4倍に急騰!
韓国メディア『THE KOREA ECONOMIC DAILY(日本語版』の記事から一部を以下に引用します。
(前略)
18日、韓国の投資銀行(IB)業界によると、技術保証基金、信用保証基金など、AAA級機関が保証するP-CBO金利が、最大年9%台まで上がった。製造業者であるATSは15日、技術保証基金の支援を受けて6億7200万ウォン(約720万円)分のP-CBOを年9.367%の金利で発行した。
半導体装備メーカーのネクスタテクノロジーは先月、信用保証基金の支援で年9.103%で12億8000万ウォン(約1億2800万円)を確保した。
これまで、P-CBO借換の過程で金利が3~4倍上がった中小·中堅企業も続出した。
紳士服メーカー「美しい人」は15日、6億9000万ウォン分のP-CBOを発行した。
2020年に発行した7億2000万ウォン分を借り換え発行した。金利は、年1.944%から年8.207%へと4倍以上に跳ね上がった。
電子部品メーカーのピーケーテックシステムは、12億8000万ウォン分のP-CBOを借り換え発行し、金利が年2.504%から年8.747%に上昇した。
(後略)⇒参照・引用元:『THE KOREA ECONOMIC DAILY(日本語版)』「プライマリー債券担保証券金利、最大年9%台、韓国中小企業の負担増」
そもそも保証が付いているはずのP-CBOでも金利が3~4倍に急騰しており、借り換えにもアップアップな状況です。
しかし、金利が急騰していても「借りないと仕方ない」という泣き寝入り状況となっています。
これが続けられるのか、です。
(吉田ハンチング@dcp)