Money1でもご紹介してきたとおり、韓国は政府・企業・家計の3部門で見ると、これまでは企業負債の伸びがまだ一番マシでした。
2020年のコロナ禍で景気が悪くなり、これを支えるべく文在寅前政権がじゃぶじゃぶお金をまきました。赤字国債を発行してお金を調達したため、政府負債が急増。
この流動性拡大が家計負債を膨らませます。金利が韓国史上最低になったのをいいことに、不動産、株式、暗号資産などにお金を突っ込んだからです。
これによって家計負債が急騰。ご案内のとおり、対GDP比で100%を超える家計負債大国となったわけです。『韓国銀行』の公表データによれば、2022年第3四半期の段階で家計負債は「1,870.6兆ウォン」。
いうまでもなく韓国史上最悪の家計負債金額です。
てなわけで、コロナ禍をきっかけに韓国では政府負債、家計負債が急拡大したのです。それに比べればまだ企業負債はマシで、Money1でも「3部門のうち企業負債はまだしも」とご紹介してきました。
ところが、これまたご紹介したとおり、企業負債もマシで済まされなくなっています。
『IIF』(Institute of International Financeの略:国際金融協会)の「Global debt Monitor」(世界債務モニター)によると、韓国の企業負債は対GDP比で2022年第3四半期基準で「119.1%」に達しました。
(企業負債の対GDP比率)
第1位 香港……278.1%
第2位 中国……159.0%%
第3位 シンガポール……150.3%
第4位 韓国……119.1%
第5位 日本……118.5%
⇒参照・引用元:『IIF』公式サイト「Global debt Monitor」
韓国は日本を抜いて第4位となりました。
ちなみに、韓国は前四半期より「1.2%」アップしての結果で、韓国より対前期の伸びが大きかったのはベトナム(2.0%)だけです。
つまり、対前四半期で世界で2番目に企業負債を増やした国なのです。
家計負債も気になるのですが、企業負債も経済危機の導火線になり得ます。
企業負債が増加し、しかも金利が上がっていますから、ただでさえ限界企業(負債の元利払いを営業利益で支払えない企業)が多いのに、弱いところか倒産するかもしれません。また、ひとつ倒れたらドミノ倒しのように連鎖倒産という事態も考えられます。
韓国が複合危機だといわれるのは伊達ではないのです。
(吉田ハンチング@dcp)