物流大乱に襲われている韓国ですが、事態は悪化を続けています。
政府与党の『国民の力』議員からは、ストライキの元締めである『民主労総』を解体すべきである――という強硬な意見が出るほどです。
セメント不足で建築現場が動けなくなっているため、韓国の国土交通部は「業務開始命令」を出したのですが、これを受けた『民主労総公共運輸労組貨物連帯本部』(貨物連帯)側は、同命令の撤回を要求、命令に従う気配はありません。
セメント・ガソリンが来ない現状
『大韓建設協会』によると、生コンがこないので全国工事現場985カ所のうち、577カ所でコンクリの打設を中断。
通常は、1日の平均セメントの出荷量は「18~20万トン」ほどですが、今回の貨物連帯のストライキによって、これが「4万5,000トン」水準まで減少しています。
江原道ではセメント工場132カ所のうち109カ所が稼働停止。82.6%の工場が止まったことになります。
材料が来ないし、生産しても運べないからです。
光州ではセメント工場は全て停止に追い込まれています。
建築現場も危機ですが、タンクローリーを動かすドライバーもストライキに入っているため、先にご紹介したとおり、ガソリンスタンドに給油されず、スタンドにガソリンがないという危機的状況に陥っています。
↑こういう時は『OPINET』が便利です。ガソリン切れのスタンド情報を掲載しています。
上掲のとおり、2022年12月01日14時点で、ガソリン切れのスタンドが49カ所になりました。前日比でほぼ倍増です。
このままいくと、貨物輸送だけではなく一般のドライバーの交通も阻害されます(電気自動車は大丈夫かもしれませんが)。
精油業界に業務開始命令を出す直前
政府としては放置できませんので、本日2022年12月02日には、元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官が精油業界に対して業務開始命令を出すだろう――と見られています。
もちろん、出しても言うことを聞くかどうかは分かりませんが、しかし事態を静観することもできません。
本日、下命するかどうかにご注目ください。
貨物自動車運輸事業法第14条を根拠とする。
運送事業者や運輸従事者が正当な事由なく貨物運送を集団で拒否し、国家経済に深刻な懸念を招く場合、国土部長官が業務開始命令を下すことができる。
国務会の審議を経て業務開始命令が発動されれば、運輸従事者は直ちに業務に復帰しなければならない。
拒否する場合、30日間の免許停止処分、3年以下の懲役または3,000万ウォン以下の罰金という刑事処分を科すことができる。
(吉田ハンチング@dcp)