2022年12月21日、韓国の企画財政部は尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領臨席の下、「第12次 非常経済民生会」兼「第1次国民経済諮問会議」を開催し、「2023年経済政策指針」を確定・発表しました。
この「2023年経済政策指針」は長い文書ですが、前半は「これまでのあらすじ」で、後半は「どうなる・どうする2023」です。
前半部分は特に目新しい話はありませんが、後半の「どうなる2023年」が見どころです。端的に表したのが以下の表組です。
2023年「韓国経済展望」
経済成長率:1.6%
雇用者の増減:+10万人
雇用率:68.7%
消費者物価:3.5%
経常収支:210億ドル
通関輸出:-4.5%
通関輸入:-6.4%⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『2023年経済政策指針』発表」
まず、2023年は経済成長率が「2022年:+2.5%」から「+1.6%」と、1%台に下落します。
ただ、これは『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)、『OECD』(Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略:経済協力開発機構)、また『韓国電力』も予測されていた話で、特にがっかりするような話ではありません。
そもそも長期展望としてまもなく韓国はゼロ成長時代に突入すると予測されているのでから。
ご注目いただきたいのは、経常収支の予測です。
2022年が220億ドルで、2023年はそれより少ない210億ドルと予測しています。10億ドル減少するだけじゃん、ではないのです。経常収支が200億ドルでは国が回るのかどうか心配です。
以下に、この10年間の経常収支の推移をグラフにしてみます(2022年と2023年は今回公表された予測数字)。
2021年の経常収支は「883.0億ドル」でしたから、2022年の「220.0億ドル」というのは、無茶苦茶な減少です。
この予測が当たれば、2022年の経常収支は2021年からなんと「75.1%」も減ったことになります。2023年はそれよりも下がるというのですから、全く明るくない予測です。
さらに2023年の輸出が2022年より「4.5%減少する」という予測にもご注目ください。韓国政府は現在「とにかく輸出を増やせ!」と必死ですが、この減少予測が危機感の背景にあると推測されます。
とにかく韓国は貿易でもうからないと国が成り立ちません。この点においても、今回政府が出した2023年の経済展望は全く明るくありません。
(吉田ハンチング@dcp)