小ネタかもしれませんが、知らない方が多いかもしれませんのでご紹介します。
『TBS NEWS DIG』に「輸出額は“日本の40倍”「韓国のり」が韓国の成長株に “韓流ブーム”が追い風に?ユーザー目線と地域密着型もカギ」という記事が出ています。
記事の一部を引用すると以下のような具合です。
(前略)
日本でもおなじみの「韓国のり」。実は世界の「のり」市場でのシェアは7割を超え、韓国の水産物輸出の柱の1つとなっています。日本と比べ、おととしの輸出額は40倍以上。
ここ10年、右肩上がりの成長が続いていますが、その理由について韓国政府の担当者は。
韓国海洋水産省 パク・スンジュン輸出加工振興課長
「韓国のKコンテンツ“韓流”の力が加わるなど、複合的な要因で成功したようです」ドラマや映画、音楽といった韓国の大衆文化、“韓流”。世界にファンを広げていますが、「韓国のり」の輸出まで後押ししているというのです。
(後略)⇒参照・引用元:『TBS NEWS DIG』「輸出額は“日本の40倍”「韓国のり」が韓国の成長株に “韓流ブーム”が追い風に?ユーザー目線と地域密着型もカギ」
なぜか「日本と比べて」の部分に力が入っている気がしないでもありませんが、このような小分け・市販で食せるようにパッケージされた「韓国のり」は、実は日本人の開発・発明です。
開発した人は、秋山英一さんです。この方は後に「韓国の流通業を変えた」といわれるようになった凄腕ビジネスマン。『ロッテ』創業者の重光武雄さんに口説かれて入社、陣頭指揮を執って1979年にソウルに『ロッテ百貨店』をオープンさせ、大成功に導きました。
この秋山さんが、日本人観光客から「味付け海苔はないですか?」と聞かれたことをきっかけに開発、成功させたのが現在につながる「韓国風味付け海苔」でした。
念のために書きますが、これは「ごま油を塗って塩を振った板海苔」を販売できるように現在につながる形にした――という発明です。韓国では板海苔にゴマ油を……という食べ方はされていたのですが、現在のような製品はありませんでした。
最初は、そんなどこでも食べられるような物は売れないだろうといった反対の声もあったのですが、やがて韓国人も買うようになって大ヒット商品に。今でも手軽な韓国土産として珍重されています。
ちなみに、小分けのキムチを売るように製品化したのも秋山さんの功績です。それまでは「家庭でそれぞれのレシピで漬けるもの」だったのですが、製品化してみると、これまた韓国の皆さんも買うようになって今ではのりと同様に韓国土産の代表格です。
さらにちなみに、のりの養殖技術は朝鮮併合時代に飛躍的に進歩しました。
『朝鮮総督府 水産試験場』主任技師・富士川きよしさん、全羅南道水試技師・金子政之助さんが「浮きヒビ養殖法」を開発したことで、生産量を飛躍的に伸ばすことに成功しました。面白いことに朝鮮半島で開発されたこの養殖法は、内地に輸出されて利用されるようになります。
富士川さんは終戦後も韓国にとどまります。アメリカ合衆国軍の要請で1953年(昭和28年)まで、現地で海苔養殖の指導を行ったのです。
「ゴマ油を塗って塩を振って食べる」は板海苔のおいしい食べ方なので、これは韓国人による魔改造の発明としてもっと誇ってもいいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)