韓国の製造業に酷寒の寒波が襲っています。
先にご紹介したとおり、家電産業で製品が売れず在庫が積み上がっています。在庫が増加しているということは製品を作る工場の稼働率も落ちているということです。作っても仕方ありませんから。
韓国メディア『ハンギョレ』に、製造業における工場の稼働率低下の実情を写す記事が出ていますので、記事から稼働率についての数字を拾ってみます。
工場稼働率
『サムスン電子』コンポーネント部門:65%(-30%)
『サムスン電子』スマートフォン工場:72%(-8%)
『LG電子』テレビ工場:81.1%(-15.3%)
『LG電子』洗濯機工場:88%(-17%)
『LGディスプレー』亀尾工場:95%(-5%)
『サムスンSDI』偏光フィルム工場:78%(-22%)
『サムスンSDI』EMC(半導体パッケージング)工場:29%(-21%)
『LG化学』石油化学部門:84%(-9.7%)
『ロッテケミカル』PC(合成樹脂)工場:86%(-16%)※稼働率は第3四半期時点のもので( )内は対前年同期比の増減
2023年は輸出が4%減少すると企画財政部自身が読んでいますが、第3四半期までの現状でかなりの暗雲です。
まずいのはこの低迷で製造業での投資が減少することです。売り上げが減少しているので投資意欲は減退せざるを得ません。投資が減少するとGDPが減ることはもちろんですが、次の成長が停滞することになります。負の循環を生む可能性があるのです。
最近韓国メディアでは「R」と称してリセッション入りの可能性を声高に指摘するようになっています。そうならないといいのですが……。
(吉田ハンチング@dcp)