韓国の未来を懸けた「第22代 国会議員総選挙」が2024年04月10日に迫っています。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領と政府機関は、当然政府与党『国民の力』が勝つために、国民の歓心を買う施策を次々と発表しています。このような時期は、支持を上げるために政府は一丸となって与党を支えるのです※。
※文在寅政権の際はもっとひどいものでした。なにせ文在寅大統領の友人を当選させるために、当時の民情首席だった曹国(チョ・グク)さんが選挙介入を行ったという疑惑があるほどです。
面白くないのは、最大野党『共に民主党』です。
野党なので、当然ながら政府機関による支援など全く期待できません。実弾を打つ(政府機関がお金を投下する)ような公約が出せないのです。
そのため、韓国政府が発表するばらまきプランに対しては憎々しい対応をしています。なにせ『共に民主党』はいかにも見苦しい内紛騒動のため、支持率が低下してます。
余計に政府の大盤振る舞いの約束が腹立たしいのです。
「925兆ウォン」は空手形だ!
↑いつも李在明(イ・ジェミョン)さんの側に控えているのが洪翼杓(ホン・イクピョ)院内代表(写真右)です。
2024年03月06日、『共に民主党』は、韓国政府が公表している(というか吹聴している)プランは、ただの空手形だと主張しました。洪翼杓(ホン・イクピョ)院内代表は以下のように述べています。
「尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、昨日まで行った17回の民生討論会で925兆ウォンを乱発した」
「首都圏GTX新設、加徳島新空港などSOC(社会間接資本)から小商工人、青年まで動員する綿密に計算された、違法な官権選挙活動を行っている」
「十分な法的検討や費用検討なしに公約を乱発している」
「水原での662兆ウォン規模の半導体メガクラスター発言はとんでもない。民間が投資する内容を大統領が自慢している」
民生討論会というのは、大統領府が主導して開催している、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領と国民との対話集会です。
↑この第17回は「青年の力で跳躍する大韓民国」がテーマで、会合の終わりには青年と握手したり、抱擁する尹大統領の姿が見られました。『共に民主党』からすると、こういうのが憎たらしいのでしょう。
で、洪院内代表が指摘しているのは、この民生討論会で「ばらまきの約束を計925兆ウォンも行った」という点です。
「十分な法的検討や費用検討なしに公約を乱発している」との主張なので、要は「そんなもの空手形はじゃないか」というわけです。
洪院内代表が言う「662兆ウォン規模の半導体メガクラスター発言はとんでもない。民間が投資する内容を大統領が自慢している」は、Money1でも先にご紹介したとおり、全くそのとおりです。
「半導体企業が出します」であって、政府が行うのは融資支援です。お前らにお金を貸すよう支援するから、借金を背負って半導体ファウンドリーを造れ――というのが計画の骨子なのです。
しかも、この計画は物理的に実現不可能です。
『共に民主党』には非難する資格などない
『共に民主党』の洪院内代表は「違法な官権選挙活動だ」と怒っていますが、これは正鵠を射ています。政府与党を勝たせるために、「政府によるばらまき」を公約しているのも同然だからです。
しかし、『共に民主党』だって褒められたものではありません。文在寅政権下では自分たちも行っていました。
例えば、洪院内代表の発言に登場する「加徳島新国際空港」は、釜山市長補欠選挙に勝つために、文在寅政権が無理やりでっち上げた案件です。
『共に民主党』が立法まで行ったので、もはや止められなくなり、それを『国民の力』が現在利用しているだけです。
つまり、洪院内代表の発言は、
「他人が行えば不倫だが、自分が行えばロマンス」
という『共に民主党』のダブルスタンダードを証明するものなのです。
『国民の力』からすれば、「やられたからやり返している」だけであって、少なくとも『共に民主党』にそれを非難するような資格はありません。
ただし、『共に民主党』がわざわざ数え上げた「925兆ウォン」は、確かに空手形に終わる可能性が高いです。実現可能性があるのか、誰がどこからお金を出すのかが、検証されてはいないのですから。
(吉田ハンチング@dcp)