新年早々韓国メディア『毎日経済』から興味深い記事が出ています。G5というと、アメリカ合衆国・日本・ドイツ・イギリス・フランスというのが通り相場ですが、韓国が経済強国としてこのG5に入るだろう――というのです。
新年の抱負を語ったものかもしれませんが、なかなかの初夢です。
『毎日経済』の記事の一部を以下に引用してみます。
01日、『毎日経済』が世論調査会社『モノリサーチ』に依頼して、全国の成人1,000人を対象に「G5跳躍に対する対国民認識調査」を実施した結果、回答者の50.7%は「韓国がG5経済強国に跳躍する可能性が高い」と判断した。
「普通」と答えた21.9%まで含めると、国民10人のうち7人が可能性を肯定的と認識した。
またG5跳躍時点を「10年以内」と回答した割合が86.6%にもなった。
『毎日経済』と『韓国経済研究院』がG5跳躍時点を分析した結果、12年後の2035年には韓国の国内総生産(GDP)がフランスを抜き、2039年には日本まで追い越す可能性があることが分かった。
現在、年間1%水準のGDP成長率を今後10年間、台湾水準(3.6%)に改善するという条件を満たす場合だ。
ここに外国人直接投資(FDI)と経済活動人口がG5平均水準に上がれば希望は現実になる。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「労働・政治を変えれば…韓国、2035年G5に行く」
「普通」というのがなんだかよく分かりませんが、とにかく「韓国がG5経済強国になる」のを「可能」と肯定的に認識している人は約7割に達するとのこと。しかも「10年以内に達成できる」そうです。
「それはお前の気持ちやん」という話ですが、韓国の場合はこのような希望的観測も「事実」として認識してしまう可能性があります。「なれたらいいね」が「10年以内にG5になる」に変換されなければいいのですが。
『毎日経済』と『韓国経済研究院』によるという「G5跳躍時点」がまた傑作で、2035年にはフランスをGDPで抜くそうです。つまり、現行のG5から真っ先に韓国に抜かれるのはフランスとのこと。
2039年には日本も韓国に抜かれると予測しています。
しかし、です。この予測のパラメーターが無茶苦茶です。台湾並の経済成長率「3.6%」を今後10年間続けたら……なのですから呆れる他ありません。
以下をご覧ください。80年代・90年代・00年代・10年代の韓国の平均GDP成長率の推移です。
明らかに右肩下がりで、2010~2019年は2.3%に落ち込みました。韓国が2020年代に0%水準の経済成長率下落するだろうことは、このようなグラフからも予測されています。
であるのに「3.6%の経済成長を10年続ける」としているのです。無茶苦茶という以外なんといえるでしょうか。
また、2020年に韓国は死亡数と出生数がデッドクロスして急速に老いていくコースに入りました。生産年齢人口は急減します。なぜ、そのような経済成長が可能と考えるのか根拠が全く分かりません。
そのため「経済活動人口がG5平均水準に上がれば」と書いていますが、上がる可能性はほぼゼロです。韓国に対する直接投資(FDI)がG5平均水準に上がることも恐らくありません。韓国のようにリスクの高い国に外国人投資家が進んでお金を投じるとはとても思えないからです。
もう何度だっていいますが、韓国の夏は終わったのです。韓国の皆さんは否定したいかもしれませんが、もう秋は始まっています。
(吉田ハンチング@dcp)