2023年02月08日、『韓国銀行』が2022年12月時点での国際収支統計を公表しました。
結論からいえば、予想どおりの「薄い黒字」で締まりました。ハズれなくてよかったです。
以下をご覧ください。
2022年12月
貿易収支:-4億7,500万ドル
サービス収支:-13億9,160万ドル
第1次所得収支:47億8,530万ドル
第2次所得収支:-2億4,150万ドル
経常収支(上記4つの合計):26億7,720万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
意外だった点が2つあります。
①貿易収支が赤転していること
②第1次所得収支の黒字が常になく大きいこと
です。
①ですが、産業通商資源部のデータによれば、2022年12月は通関ベースの貿易収支は「-46億8,900万ドル」でした。これまでの例からいえば、この程度の赤字は国際収支統計では黒転が可能だったのですが※、薄いとはいえ「-4億7,500万ドル」と赤字になっています。
※というより黒転していた。
次に②ですが、第1次所得収支が「47億8,530万ドル」と大きな黒字となっています。これはレアな大きな数字です。2021年05月(60億6,260万ドル)までさかのぼらないと、当月よりも大きな数字はありません。
貿易収支:赤字
サービス収支:赤字
第1次所得収支:黒字
第2次所得収支:赤字
となり、当月は第1次所得収支の黒字が大きかったので、経常収支が赤転せずに済みました。
2022年01~12月の経常収支の推移を見ると以下のようになります※。
↑今回の発表によれば2022年の経常収支は計「298億90万ドル」の黒字となります。
↑黄色でフォーカスしたのが2021年01~12月の経常収支。
2021年01~12月の経常収支は計「852億2,820万ドル」ですので、2021年 ⇒ 2022年でなんと「553億9,730万ドル」の減少。
韓国の経常収支は65.0%が蒸発しました。
先にご紹介したとおり、2023年01月の通関ベースの貿易収支は約127億ドルの赤字ですので、さすがにこれは黒字にひっくり返せません。国際収支統計でも大きめの赤字になるはずです。
韓国は貿易収支が大きな黒字にならないと経常収支の黒字を担保できません。
そのため、2023年01月の経常収支は赤字になるでしょう。2023年は経常収支赤字からスタートするものと予想できます。
この「修正」によって、これまで発表された数字とまるで異ったものになりました。以下に2022年11月までの数字と今回発表された12月の数字がいかに違うかを示します。
↑左が2023年01月に公表された2022年01~11月の経常収支、右が今回公表された2022年01~12月の経常収支。全ての数字が修正されています。
(吉田ハンチング@dcp)