読者の皆さまもご存じのとおり、韓国で不動産バブルが弾けるのではないか、という観測が出ています。
実際、新築マンションの価格下落、分譲率の低下などが現れており、薄氷にピシピシとひび割れが広がっている状況です。だたし、韓国政府は「ハードクラッシュだけは絶対にごめんだ」と、なりふり構わずあの手この手を繰り出しています。
しかしながら、「魂まで不動産に突っ込んだ」人の暮らしはいよいよ圧迫されているのです。
韓国の場合、住宅ローンで変動金利を選んでいる人がほとんどで(統計をとる時期にもよる大抵7~8割)、現在は『韓国銀行』が基準金利を上げる一方ですから、ローンの金利負担が増えるばかり。
先にもご紹介したとおり高金利地獄です。
競売物件が1.7倍に増えた!
そんな中、良くない情報が出ています。「任意競売」にかけられる不動産の物件数が増加しているのです。
任意競売というのは、債務者が融資したお金や利子を返済できない場合に行われます。債権者は、担保となっている不動産に設定した根抵当権などの権利を行使してオークショを実施。最も高値をつけた者に売却して債権を回収します。
任意競売の件数が増加しているということは、とりもなおさず「もう利子も払えない」「受けた融資を返済できない」――という人が増加しているのです。
「裁判所登記情報広場」の資料によれば、
2022年12月:2,643件
2023年01月:2,977件
となっています。2023年01月は対前月比で約13%の増加。13%ですから少ないと思われるかもしれませんが、この「2,977件」は対前年同月比で見ると「69.7%」の増加です(2022年01月:1,754件)。
つまり、任意競売の件数は約1.7倍に増えました。
この増加は、2022年中に基準金利が連続で上がり、それに伴って変動金利が上昇、金利負担に耐えかねた家計が急増したのが原因と考えられます。
このまま高金利基調が続けば、任意競売物件はさらに増えるでしょう。これもまた、韓国の不動産市場が危なくなってきた証拠です。
(吉田ハンチング@dcp)