韓国政府は自国企業を国内に呼び返すためにリショアリングのための政策(税額控除など)をとっていますが、まあ帰ってきません。
それも当然の話で、政権によって大企業を目の敵にし、企業の上層部が時の政権の思惑で平気で逮捕されるような国にとどまって事業を続けるなんて、普通の精神では考えられません。
また、労働組合が横暴で労使協調ができずに労働生産性が極めて低いのですから、企業が外国に出ていくのは当然のことです。
同時に、少しものの分かった外国企業なら韓国に投資を行うこともしません。自国企業が逃げ出そうという国になぜ外国企業が投資を行うでしょうか。
韓国から外国への投資が増加し、外国から韓国への投資が減少すると、韓国から外国への資金流出が拡大します。これを証明する数字がちゃんとあるのです。
以下は、国際収支統計から金融収支の「直接投資」の部分を切り出したものです。
↑黄色でフォーカスしたのが直接投資の収支。オレンジが直接投資の資産合計、緑が直接投資の負債合計2022年
直接投資・資産:664億760万ドル
直接投資・負債:179億9,600万ドル
直接投資収支:484億1,160万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
経常収支と違って金融収支の場合は、資産・負債がどのように増減したのかに注目しています。
資産の部では、資産が増えるとプラスになります。つまり、対外資産が増えていることを示し、その分外国へお金が出ていっているのです。
負債の部では、負債が増えるとプラスになります。つまり、対外負債が増えていることを示し、その分外国から韓国にお金が入ってきているのです。
これを踏まえて、上掲のデータを見てください。
資産の部が664億760万ドルも増加していますので、この巨額が韓国から外国へ出ていったのです。この数字は過去最大※です。
※ちなみに2021年は660億60万ドルで、2年連続で過去最大を更新したのです。2020年は「348億3,240万ドル」ですので、2021年と2022年は異常なほどの資金流出といえます。
負債の部は179億9,600万ドル増加ですから、この分のお金が外国から韓国に入ってきました。
この資産と負債の収支を示すのが直接投資(の収支)で「484億1,160万ドル」の資産増。つまりは、入出の差でこれだけの投資金額が2022年に外国に出ていきました。
ちなみに、この「484億1,160万ドル」は直接投資収支の過去最大です。
もちろん海外への投資が増加するのは悪いことではありません。投資からのアガリが期待できますので。ただしそれも程度の問題です。
(吉田ハンチング@dcp)