傑作な事態です。
韓国の自動車メーカーは北米市場に依存しており、中国ではさっぱり売れず、EUも伸び悩み、日本市場では全く売れませんので、他の市場を必死に探しています。
有力と見ているは東南アジア市場です。
韓国の『現代自動車』は、東南アジアでの成功を目指してインドネシアに生産拠点を――と電気自動車の生産工場を建設しました。
――ところが、大変皮肉なことにインドネシアで『現代自動車』『起亜自動車』の電気自動車(BEV)はほとんど売れなかったことが判明しました。
『GAIKINDO』(インドネシア自動車工業協会)の公表データによれば、2025年第1四半期の電気自動車は「573台」しか売れませんでした(上掲)。
『起亜自動車』のBEVはたったの「6台」です。
この『GAIKINDO』のデータによれば、2025年第1四半期、電気自動車は総計「1万5,987台」売れています(BEV TOTAL)ので、『現代自動車』と『起亜自動車』を足しても「579台」ですから、シェアは「3.6%」となります。
ちなみに中国の電気自動車メーカー『BYD』は「5,718台」で、シェアは「35.8%」となります。
インドネシアは電気自動車については圧倒的に中国企業が強く、1~4位までは中国メーカーなのです。
ただし、『現代自動車』も573台しか売れていませんし、『BYD』のほぼ1/10ですが、それでも一応5位です。
東南アジアは「電気自動車の不毛地帯」といわれるほど、電気自動車が売れない地域だったので、これから――といわれてきたのです(2023年まで電気自動車の販売台数は目立った増加傾向を示していませんでしたが、2024年は突如として4万3,188台を記録)。
『現代自動車』は現地企業のバッテリー企業『HLIグリーンパワー』と提携して、電気自動車「コナEV」の完全現地生産を実現させる工場を建設したのですが……。
『HMMI』(『現代自動車』のインドネシア生産法人)は2024年に、
「KONA(コナ)EV」:1,373台
「IONIQ(アイオニック)5」:2,410台
を生産して現地市場に投入にしましたが、2025年04月までの販売台数は、「コナEV」が157台、「アイオニック5N」が14台しかありません。
(※この数字は韓国メディア『毎日経済』の記事より)
工場建設が完全に裏目に出た形となりました。「さあ、どうしますかね」――です。
(吉田ハンチング@dcp)