韓国メディア『東亜日報』から興味深い記事が出ています。
半導体製造装置の取引状況から見て、韓国は他の半導体産業強国から取り残されつつある――と懸念する内容です。
『国連貿易統計』のデータを基にした分析で、2021年から2022年にかけて、どの国が半導体装置をいくら導入したのかに注目しています。
まず、半導体製造装置の供給側です。アメリカ合衆国、日本、オランダの2022年の「半導体製造装置の輸出額」は「791億2,000万ドル」で、前年比2.9%増加しています。
このほとんどは、実際に半導体を製造している合衆国、台湾、日本、韓国、台湾、中国の5カ国に流入します。
では、2021年から2022年にかけて、半導体製造装置の流入金額はどのように推移したでしょうか。
以下をご覧ください。
2021年 ⇒ 2022年「半導体製造装置」流入金額の変化
アメリカ合衆国:+25.2%
54億ドル ⇒ 67億ドル日本:+17.5%
25億ドル ⇒ 29億ドル台湾:+13.0%
197億ドル ⇒ 222億ドル韓国:-11.0%
187億ドル ⇒ 166億ドル中国:-18.7%
212億ドル ⇒ 172億ドル⇒データ出典:『国連貿易統計』
面白いことに、韓国・中国は半導体製造装置の流入金額が減少しています。
中国は、合衆国との対立が激化して半導体製造装置を入手できなくなってきましたので、減少するのは分かります。しかし、韓国は曲がりなりにも「半導体強国」と号し、半導体製造をこれから強化しなければならない国です。
それなのに、半導体製造装置の流入金額が減少しているのです。
『東亜日報』では、合衆国・日本・台湾が半導体製造への投資を拡大しているのに、韓国が遅れを取っていることの表れだ――と嘆いています。
合衆国-中国の半導体対立では、自由主事陣営国の同盟は「Chip4」ではなく、「Chip3」というのが実態なのです。韓国は取り残されつつあります。
(吉田ハンチング@dcp)