2023年03月19日、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』が「日本外交は異常化している」というタイトルの社説記事を出しました。
大きなお世話というか、「効いてる効いてる」というか――な内容です。冒頭部分を以下に引用してみます。
岸田文雄首相は、東京で韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領とドイツのオラフ・ショルツ首相を迎えたばかりだ。
03月19日にはニューデリーに急行し、05月には広島で開催される7カ国(G7)首脳会議にインドのナレンドラ・モディ首相を招待すると報じられている。
日本の積極的な外交は注目されるし、それが本当に地域の平和と安定を促進しているのであれば、それは良いことだと思う。
しかし、日本の特定方向への集中的な取り組みは、疑心暗鬼と警戒心を呼び起こし、地域の相互信頼と平和な雰囲気を著しく損なっている。
日本の岸田文雄首相が、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)、ドイツのオラフ・ショルツ首相、インドのナレンドラ・モディ首相と親交を深めているのが気に食わないご様子です。
『Global Times』というのは、中国共産党の言いたいことをアドバルーン的に上げるのが役割ですので、この記事は中国共産党の不快感を表明したものと見て間違いありません。
「日本の特定方向への集中的な取り組み」というのは、もちろん中国の排除を意味し、「疑心暗鬼と警戒心を呼び起こし、地域の相互信頼と平和な雰囲気を著しく損なっている」と書いているのは、中国自身の心境の吐露です。
注目すべきは以下の書きようです。
(前略)
近年、日本はいわゆる「正常化」を追求することに非常に熱心なように見えるが、実際には日本を一歩一歩「異常化」へと追いやっている。最大の貿易相手国(中国のこと:引用者注)との政治的・安全保障的対立を促進することが正常なのか?
経済や生活水準が低迷しているのに、アメリカ合衆国から高価な攻撃型ミサイルを購入するために多額の資金を費やすのは正常なことなのだろうか?
東アジアにありながら、ワシントンの地政学的戦略に依存するのは正常なことなのだろうか。
今、日本には異常な部分が多すぎて、しかもその異常さの度合いが増していることが懸念される。
日本が異常化しているという「大きなお世話な指摘」をされています。その異常化とやらの原因は「全部あんたのせい」なのですが。
以下に引用する部分が特に傑作です。
(前略)
日本が政治的な大国になろうと躍起になっているのは理解できるが、そのための道筋は絶対に軍事的な侵略ではない。
(後略)
「日本」ではなく、中国自身のことでしょう。
「中国が政治的な大国になろうと躍起になっているのは理解できるが、そのための道筋は絶対に軍事的な侵略ではない」と中国にアドバイスしたいところです。
台湾侵攻などさっさと断念すべきでしょう。
さらに、本記事の終わりでは、間もなく日本で開催される「G7」についても以下のとおり文句をいっています。
05月に広島でG7サミットが開催されるが、もう臭う。
日本はG7議長国就任の機会を重視し、一連のシャトル外交を展開し、今回のG7サミットに華を添えている。
アジアで唯一のメンバーである日本は、アジアの代弁者でないばかりか、アジア問題への外部からの干渉の橋頭堡となる。
これは日本外交の異常性を証明するものでもある。
日本はアジアの代弁者たらんとしたことなど敗戦後は一度もないし、もう二度とごめんだと考えています。中国・韓国・北朝鮮など、ロクでもない国家群とワンチームなんて罰ゲーム以外のなにものでもありません。
日本は中国の嫌がることをこのまま進んで行うべきです。結局のところ、合衆国と中国のどちらを選ぶのか?という選択ですので、中国を選ぶなどというバカな選択肢はあり得ません。
(吉田ハンチング@dcp)