日米韓財務相会談。口先介入の効果はあったのか?

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2024年04月17日(現地時間)、アメリカ合衆国・ワシントンD.C.で日米韓の財相会談が行われました。

合衆国は財務省長官のイエレンさん、日本は鈴木俊一財務大臣、韓国は崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官というメンバーです。

注目は、円安、ウォン安が進行していることについての声明が出たことです。

韓国メディアではこれが大きく報道されています。

先にご紹介したとおり「急激なウォン安進行に対して狼狽している」からです。

以下が今回の会談の共同声明です。

⇒参照・引用元:『日本国 財務省』公式サイト「日米韓財務大臣会合に係る共同声明(仮訳)」

この中に、

我々はまた、最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存の G20 のコミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する。

と書かれています。「付け足し」みたいに出てきますが、口先介入のために入ったものと見られます。

で、効果があったのかという話ですが、以下が直近のドルウォンチャートです(2024年04月19日10:26現在)。

合衆国の現地時間17日の会議なので、18日を見ると、確かにコマ足で効果があったのかもしれませんが、大きな下ヒゲが出ています。つまり、安値「1ドル=1,371.14ウォン」まで下げたものの、結局始値近辺までウォン安方向に戻したのです。

翌19日には、上掲のとおり大きくウォン安方向に進行しています。19日がどう締まるかはまだ分かりませんが、韓国にとって口先介入の効果は限定的だったようです(2024年04月19日10:26時点)。

ワシントンD.C.では同日、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の春季会議が開催され、こちらには『韓国銀行』総裁の李昌鏞(イ・チャンヨン)さんが出席しました。李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁はもともと『IMF』のアジア太平洋局長を務めていましたから、古巣の会議に出席したわけです。

李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、

「現在のドル高傾向は、早ければ6月から予想されていた合衆国連邦準備制度(FRB)の金利引き下げ時期が遅れる可能性があるとの予想に起因している」

「合衆国の金融政策の変化が新興市場の為替レートに与える影響は1年半前に比べて一時的なものだと思う」

と述べました。また、『CNBC』のインタビュー取材では「変動性が続く場合、市場安定化措置に出る準備ができており、そうするための十分な手段を備えている」と発言しています。

市場介入するぞ!とうわけですが、もう始めているでしょうし、「十分な手段を備えている」かどうかは分かりません。このような強弁もまた市場介入の一つの手段です。

まずいことに現在は「残酷な四月」で、韓国企業の海外への配当支払いが集中する月です。(ウォンなんかもらっても仕方がないので)海外へは外貨建てで行いますので、ウォン売りドル買いが多く発生し、ウォン安が進行する可能性があるのです。

さて、ウォン安は本当に止まるでしょうか。

(柏ケミカル@dcp)

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