例の土地問題です(笑)。
経営難に陥っている『大韓航空』は、ソウル市鍾路区松峴洞(ソンヒョンドン)に保有する約3万7000平方メートルもの土地を売却して資金繰りに充てたいのですが、ソウル市が勝手に「この空き地は公園にしまーす!」という計画を公表し、あの手この手で売却の邪魔しているのです。
これまでの面白い経緯をご存じない方は、本稿末の「これまでのあらすじ」を先にご覧ください。
近隣住民がソウル市の計画に反対を表明!
前回は、怒髪天を衝くほど頭にきた『大韓航空』がソウル市を「国民権益委員会」に訴えたところまでご紹介しましたが、また動きがありました。
『大韓航空』とソウル市のどつき合いに「市民」が参戦です。
ソウル市は、公園化計画について「市民からの意見を募集しまーす!」としていたのですが、これに近隣住民400人が応えました。
しかし、その意見はソウル市のやり口は「反民主主義的」で、そもそも公園なんかもう要らない!というものだったのです。
この件を取り上げた韓国メディア『韓国経済』の記事から以下に引用します。
(前略)
住民は「地区単位計画は、土地の効率化とその地域の市場経済の生産性向上に役立つものでなければならないし、子孫にビジョンを提示してくれることに目的がある」とし「地区単位計画変更案という方法で私有地を公園に収容し、公示地価に補償倍率を適用して補償する手順は、民主主義の原則と手続きの正当性に欠けたものである」と主張した。すでにソンヒョンドン敷地半径1~2km内に三清公園、社稷公園、駱山公園などがあって公園利用に不便はない。
ソウル市が公園の指定をしては、開発せずに放置する土地が数十万平方キロメートルもあるという点も反対の理由になった。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国経済』「大韓航空敷地公園化計画に…住民『反民主的行動』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
というわけで、ソウル市の「開発の許認可権はウチが握ってるんだ」というやり口に近隣住民は「NO!」を突きつけました。
さて、この先はどのように転ぶでしょうか? また動きがあったらご紹介するようにいたします。
それにつけても、ソウル市が「公園にしまーす!」といって放置している土地が数十平方キロメートルもあるというのは驚きですね。
<<これまでのあらすじ>>
①『大韓航空』は、ソウル市の鍾路区松峴洞(ソンヒョンドン)に敷地面積「3万7,000平方メートル」の広大な空き地を所有している。
②『大韓航空』はこれを「5,000億ウォン」で売却して資金繰りに充てたい。
③ところが、ソウル市が勝手に「この土地を公園にしまーす!」と整備計画を発表。
④当然『大韓航空』は「ふざけるな! オレの土地だぞ」とカンカン。
⑤「じゃあ、その土地買おうじゃないの」とソウル市が相談を持ちかける。
⑥「5,000億ウォンだよ」と『大韓航空』が答える。
⑦「2,000億ウォン(台)で買うよ。それでいいだろ」とソウル市が言う。
⑧『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
⑨「ちぇっ。じゃあ公示価格に補償倍率をかけて、4,666億9,300万ウォンで買うよ。あ、建物があるからそれの補償費の4億4,000万ウォンも付けよう。計4,671億3,300万ウォンで買おうじゃないの」とソウル市が言う。
⑩「ふざけんな、時価より安いだろうが!」と『大韓航空』が怒る。
⑪「で(聞いてない)、代金だけど……まず契約金として10%を来年支払って、残りは2022年に支払うよ」とソウル市が言う。
⑫絶句した『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
⑬頭にきた『大韓航空』は土地売却のため、競争入札を実施。
⑭ところが! 土地の開発許認可権はソウル市が握っているため、「落札しても開発できない可能性が高い」とどこも入札せず。
まさかの入札「ゼロ」という結果になる。
⑮ソウル市が「それみたことか」とほくそ笑む(筆者の想像です)。
⑯怒髪天を衝くほど頭にきた『大韓航空』がソウル市を「国民権益委員会」に訴える。
以下がこの土地売却問題をご紹介した記事のシリーズです。
(柏ケミカル@dcp)