アメリカ合衆国のトランプ政権は、企業の国内回帰、いわゆる「リショアリング」(re-shoring)を強く提言しています。日本でも安倍政権がそのための補償金を用意すると発言したことがあります。
実は、韓国も同様で文在寅政権が財閥系企業に対して「韓国国内に戻ってほしい」と要請しています。しかし、その効果は認められません。
合衆国・日本は「脱中国」を念頭に置いたリショアリングですが、文政権は「媚中」が信条の政権ですので、単純に「雇用を増やすため」「お金を韓国国内に落とさせるため」の要請です。
しかし、目的がそうであっても海外に進出した企業が韓国国内に積極的に戻ることはあり得ません。
韓国の労働コストが高いので海外に出ていくしかない
なぜそう言い切れるかというと、韓国は製造業大国を標榜していますが、もはや韓国の労働者のコストでは価格競争力のある製品を製造できないからです。
労働者の賃金が高くなり過ぎて、その分のコストを掛けて製品を作ったところで、海外で競争力がある「価格」に収まらない。売れる製品にはならない。
だから、労働コストの安い国・地域に製造拠点を移すしかないのです。
『韓国経済研究院』が調査した次のようなデータがあります。
「韓国企業が進出している10大国」(韓国の人は「○大国」が好きですな)と「韓国国内」とで、2010-2018年にどのくらい「単位労働コスト」が上昇したのか、その比較を行ってみたのです(ドルベース)。
すると、
韓国企業が進出している10大国:単位労働コストは「年平均で0.8%減少」
韓国:単位労働コストは「年平均で2.5%上昇」⇒参照・引用元:『韓国経済研究院』「韓国労働コストの競争力は主要な進出国に比べ弱体化…リショアリングに致命的」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
という衝撃的な結果となりました。
これは、韓国の国際的な「製造コスト競争力」が低下し続けていることを意味しています。製造拠点を韓国国内に戻そうなんて酔狂な企業が出てくるわけありません。
ちなみに、同じ2010-2018年の期間に韓国と同様に労働コストが上昇し、国家間の製造コスト競争力が低下した国があります。
中国です。
『韓国経済研究院』によれば、中国の「単位労働コストの年平均増加率」は韓国と同じ2.5%。
これは中国自身も気付いていることですが、中国はもはや世界の工場の資格を失うほど労働コストが上昇しているのです。
というわけで、海外に脱出した財閥系の韓国企業は韓国国内には帰ってきません。「釜山港に帰れ」といわれても帰りたくないし、コストが合わないので物理的に帰れないのです。
財閥嫌いの親左政権が牛耳っている国なんかに戻ったらナニをされるか分かりませんしね。
(吉田ハンチング@dcp)