2022年12月21日、韓国の関税庁から「’22年12月01日〜12月20日の輸出入の現状」が公表されました。
結論からいえば赤字が進行し、経常収支の赤転が懸念される結果です
以下をご覧ください。
2022年12月01~20日
輸出:336億3,800万ドル(-8.8%)
輸入:400億6,400万ドル(+1.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-64億2,700万ドル2022年01月01日~12月20日
輸出:6,625億9,500万ドル(+6.8%)
輸入:7,115億6,300万ドル(+19.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-489億6,800万ドル※( )内は対前年同期比の増減
12月01~20日で貿易収支は「-64億2,700万ドル」となりました。
「12月01~10日の貿易収支:-49億2,300万ドル」でしたから、12月11~20日の10カ間でざっくり15億ドル赤字が増えたのです。
この数字は通関ベースの赤字ですが、これ以上赤字が増えると国際収支統計でも貿易収支が赤転します。すると、経常収支が赤字になる可能性が高まります。
赤字が増えたため、2022年の累計の貿易収支は「-489億6,800万ドル」に到達。
「2022年の貿易赤字は500億ドルに達する」という予測実現まで「あと約10億ドル」となっています。
あと10日。韓国の貿易赤字がどこまでいくのは要注目です(ただしあくまでも通関ベース)。
主要輸出品目の対前年同期比を見ると以下のようになります。
半導体:-24.3%
無線通信器:-43.8%
精密機器:-11.2%
乗用車:+45.2%
石油製品:+27.1%
半導体が「-24.3%」と大きく減少しているのが問題です。
先にもご紹介しましたが、乗用車と石油製品は「増えた」と喜べる結果ではありません。
乗用車は大きく増えているように見えますが、これは2021年に輸出が大きく減ったのと比較しているためです。いわゆる基底効果。石油製品は原油価格が上昇した分を載っけただけで、いわゆる錯視効果です。
つまり、主力輸出品目はとても好調とはいえません。
相手国別輸出を見ると以下のようになります。
中国:-26.6%
アメリカ合衆国:+16.1%
日本:-12.2%
EU:+1.2%
ベトナム:-20.6%
台湾:-22.0%
最大の輸出相手国である中国で、対前年同期比の「-26.6%」と減少しているのが韓国にとって痛いポイントです。
毎月11日、21日に関税庁から公表される「輸出入動向」も2022年はこれが最後。12月に貿易収支が赤字になる可能性は高まっています。
結局2022年の輸出入がどうだったのかは2023年年明け早々に公表されるはず。ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)