李承晩(イ・スンマン)韓国初代大統領が、1952年01月18日、「大韓民国隣接海岸の主権に対する大統領宣言」※に基づいて、いわゆる「李承晩ライン」を設定。日本固有の領土である竹島を強奪しました。
※韓国の海岸線から190海里におよぶ周辺水域に線を引いて、その域内における水産物、漁業について主権を行使するという宣言。
1952年09月には「在韓国連軍司令部」がこの李承晩ラインとほぼ重なる「クラークライン」と呼ばれる防衛水域を設定。当時は朝鮮戦争が行われていたので、日本漁船は入ることができなくなり、実質的に李承晩ラインを認めたような形になりました。
このクラークラインは朝鮮戦争が休戦となった1953年07月まで機能し、国連軍が停止を宣言して防衛水域から解除されました。
しかし、韓国側は李ラインは不変とし、韓国海軍は水域を侵した日本漁船に対して「発砲・撃沈する」と警告しました。
この後、漁船の拿捕が本格化。驚くなかれ海上保安庁の巡視船「第二京丸」まで拿捕されたのです。09月07日~10月30日の間に、
拿捕された船舶:42隻
拿捕された船員:508人
となりました。この韓国側の措置に対して、日本では「反韓国意識」が一気に高まりました。当時の国会での答弁を見ると、以下のようなやりとりがされています。
「第16回国会 衆議院外務委員会 第32号(昭和28年10月28日)」から、以下に引用します。当時の外交委員会・佐々木盛雄委員と岡崎勝男外務大臣とのやりとりです。
佐々木盛雄委員「私は本日は木村保安庁長官を中心として少し承りたいと思つたのでありますが、不幸にして所用があるそうでありますから、外務大臣と海上保安庁と水産庁に対しまして、簡単に二、三の点だけを承つておきたいと思います。
まず第一に外務大臣に対してお伺いいたしたいのは、先刻来各委員からも熱心に発言のありましたように、李承晩ラインをめぐる日韓の紛争であるとか、竹島の問題というものは、単なる国際法上の論争の問題ではなく、単なる原則論の争いの問題ではなくして、まさに公海の上において、あるいは自国の領土の上におきまして、主権が不法に侵略を受けておる、こういうことは明らかに海賊的な行為である。
私はきわめて簡単な議論でありますが、まずそういう根本の認識の上に立つて物を考えたい。さような見地から承るわけですが、韓国側の行為はまさに海賊的な行為である、こういうふうに私たちは認識をいたしておりますが、外務大臣はどのような御所見でありますか」
岡崎勝男国務大臣(外務大臣)「私の立場といたしましては、海賊的などという言葉は使いたくありませんが、非常に合法的でない不都合な行為であると思つております」佐々木委員「私はなぜこういう問題を持ち出すかと申しますと、単にこれは公海自由の原則をめぐつての国際法上の紛争ということではなくして、日本人の生命財産が、韓国側の海賊的な行為によつて不当に蹂躪されておる、あるいはまた竹島という日本の領土の一角が不法に侵略をされておる。
独立国として公海上において、あるいは自国領土内においてその主権が蹂躙されて、手も足も出ないというような、そんな醜態があろうはずはないのであります。
ここに先刻来各委員のおつしやつておつた国民として納得しきれないものがあるのであります。
もとよりこの不法行為というものは、韓国側の不法なる態度によつて生じたことは申すまでもないことでありますが、国民の納得しきれないのは、明々白々に韓国側が不法であるのにもかかわらず、会談はむしろ朝鮮側の一方的な行為によつて決裂し、韓国によつて引きまわされておる。
国敗れたりといえども、この地球上の一弱小国であるところの韓国から、日本がこんな屈辱を受けて手も足も出ない、まことに醜態でないかという声は、私はけだし一般の輿論、国論としては当然のことであろうと思います。
私は必ずしも外交当局が輿論と同じ行動をとれということを主張するものではありませんけれども、輿論として当然のことである。
その上にこそ吉田総理も、死力を尽してもこの紛争の解決に当れ、こういうことをおつしやつているのであろうと思います。
申すまでもないことでありますが、水産庁の船までもが不当に拿捕されて拘引された。
一国の公船が不当に拿捕されたようなことが、戦争を開始するというところの理由にもなつたという歴史はすでにあるのであります。
私はそういうふうな根本的な認識の上から、今韓国側の行為はまさに海賊的な行為ではないかということを、あえて外務大臣の口からもはつきりしていただきたいと考えた私の考え方を了とされてもらいたいと思うのであります。
次に私は承つておきますが、先ほども同僚議員からもお話が出ておりましたが、今日の国際外交の原則というものは相互主義の上に立つておる。
先般の日米通商航海条約のごときにおきましても、やはりこの相互主義の上に立つて条約が結ばれておる、これは独立国としては当然のことであると思います。
このときにおきまして、韓国側だけが一方的な不法な態度に出る。われわれは甘んじてこれを受けなければならぬ、こういうことではまことにわれわれも承服できないわけでありますが、あえて経済的な報復措置と申しますか、少くとも対抗措置は当然とる権利をわれわれは持つておるのであります。
さような見地から考えまして、ただいま日本におります韓国人はすでに六十万であります。
日本は今日食糧難です。今日この六十万の朝鮮人、韓国人に対して生活保護を与えておる。ない食糧をさいて提供いたしておるわけであります。
しかも事あるごとに、あえて動乱を好む不良韓国人のおることも御承知の通りであります。
私は当然出入国管理法の対象としても、今日日本にあります韓国人に対する態度につきましては、新しい措置を設けなくても、出入国管理法を厳重に適用する必要がありはせぬかと思う。
さような見地から考えましても、対抗的措置といたしまして、日本におります韓国人に対するところの強制送還、ないしはこれらに対するところの何らかの対抗措置というものを、当然今日の段階においてはもはや考えるべく、そして行うべき段階ではなかろうか、またこれが今日九千万国民のほんとうの声であろう、私はこのように考えるわけでありますが、これらの点につきまして外務大臣は、どのようなお考えをお持ちになつておるでありましようか」
岡崎国務大臣「そういう点も考慮の対象にはもちろんいたしております。
しかし実際に実行するということになりますと、いろいろの問題があるのでありまして、これは出入国管理庁の方で御説明するかもしれませんが、厳重に法を施行することについてはけつこうでありますが、今おつしやつたような点は、いろいろ考慮を要する点があると考えております」
佐々木委員「私はもう簡単に結論を急ぎますが、場合によつてはそれらの対抗措置をもとるのだという用意をお持ちになつているかどうか、この一点だけを明確にしておいていただきたい」
岡崎国務大臣「その心構えでおります」
(後略)⇒参照・引用元:『国会議事録検索システム』公式サイト「第16回国会 衆議院 外務委員会 第32号 昭和28年10月28日」
この李承晩ラインを巡っての、韓国の「海賊行為」は日本の世論を沸騰させ、反韓国感情を大きく育てました。田中明先生は「征韓論的風潮」と指摘していらしゃいます。
(吉田ハンチング@dcp)