2022年09月21日12:23(合衆国NY現地時間)、日韓首脳が初めて顔を合わせて30分の対話を行いました。
韓国の大統領室は「日韓首脳略式会談の結果」というプレスリリースを出しています。
先の上掲記事でその内容をご紹介しましたが、日本側はこれを略式でも「首脳会談」とは認めておりません。
会談ではなく「懇談」としているのです。
妥協して顔合わせは行ったものの「仕方なく会ったのだ」という意思を表明するものです。
これは首相官邸が出したプレスリリースにも現れています。以下に該当部分を引用します。
(岸田総理)
まずおっしゃるように、韓国の尹大統領とは、21日、アメリカ・ニューヨーク時間ではありますが、懇談を実施いたしました。双方の懸案を解決し、日韓関係を健全な関係に戻す必要性を共有し、1965年の日韓国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で発展させていくという考えにおいて一致いたしました。
また、それに先立つ19日の日韓外相会談では、労働者問題に関して外交当局間で行われている建設的なやりとりを評価したところであり、これを踏まえ、今回首脳間では、早期解決に向けて協議の加速を指示することで一致したところです。
これらを含め基本的に実務的な雰囲気の懇談を行ったと感じています。
そして、現時点では今後の首脳会談については何ら決まっておらず、予断をもって申し上げることは控えますが、日韓関係を健全な形に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づき、韓国側と意思疎通を続けていく考えであります。
(後略)⇒参照・引用元:『日本国 首相官邸』公式サイト「米国訪問についての内外記者会見」
岸田文雄首相に対して「日和って会談を行った」という批判がなされていますが、岸田さんからすれは「会談は行ってないよ」なのです。
上掲のとおり、日本の認識はあくまでも懇談。
ですから、政権が変わってからの「初めての日韓首脳会談」はまだ行われていないのです。
傑作なのは「実務的な雰囲気の懇談」という表現です。
「的な雰囲気」なので「実務ではない」のです。つまり、懇談が「あいさつ程度のものであった」と言っています。
韓国大統領室は、国内からの批判への反論に対して「顔を合わせたことに意味があるのだ」と反論を行っています。そうかもしれませんが、「ボス交で劇的に解決したい」という目論見が完全に失敗した点を忘れないようにしていただきたいものです。
韓国のエライ人は「ワシが討って出る」と、すぐにボス交で片がつくと考えますが、日本に対しては通用しないと認識すべきです。
岸田さんらしいのは「今後の首脳会談については何ら決まっておらず」と釘を刺している点です。今回の韓国大統領室のフライングに怒り心頭だったようですので、「これは言っとかなきゃイカン」と思ったのでしょうね。
(吉田ハンチング@dcp)