2024年07月01日、『韓国銀行』が「2024年06月時点」での外貨準備高を公表しました。
2024年06月
外貨準備高:4,122億ドル(約66兆7,063億円)※
(前月比:-6億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,640億ドル(約58兆9,061億円)
(証券類)
前月比:-64億ドル⇒Deposits:244億ドル(約3兆9,487億円)
(預金)
前月比:+59億ドル⇒SDRs:146億ドル(約2兆3,627億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:-1億ドル⇒IMF position:44億ドル(約7,121億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:増減なし⇒Gold:48億ドル(約7,768億円)
(金)
前月比:増減なし※円換算は2024年07月03日「1ドル=161.83円」のレートで算出
IMFリザーブポジションや金(Gold)などを全部合計した外貨準備高が「4,122億ドル。2020年07月の「4,165億ドル」以降での最低額を更新しました。
以下をご覧ください(グラフは2022年01月~2024年06月)。
これまでの外貨準備高の最低値は、2023年10月の「4,129億ドル」でした。今回はそれを抜いて最低値を更新しました。ちなみに、それ以前は2022年10月の「4,140億ドル」が最低額です。
韓国の外貨準備高は4年前の水準に戻りました。つまり減少傾向にあります。
当月の増減について、『韓国銀行』は以下のように説明しています。
四半期末効果により金融機関の外貨預金が増加したものの、外貨建て外債の満期償還※および国民年金との為替スワップによる一時的な効果、米ドル高に伴うその他通貨建て外貨資産の米ドル換算額の減少などによる。
※06月中、外貨建外債の満期償還と新規発行の時差により一時的に減少したが、07月中の新規発行額の支払いが増加要因となる予定。
外貨預金が増加したのですが、外貨建て外債の満期償還、国民年金との為替スワップによって外貨が減少したといしています。「ドル高によってその他外貨資産のドル換算額が減少した」という説明は毎度のことですが。
問題は、国民年金にどのくらいドルを融通しているのか?です。先にご紹介したとおり、満期までは途中解約ができません。つまり、何か「こと」が起こっても、今すぐドルを返せ!はできないのです。
↑国民年金に用立てて現金のドルは減少しますが、国民年金に貸し付けたお金(=貸付金)なので帳簿上は「資産」と計上されなければなりません。そのため、為替スワップによっては、帳簿上外貨資産は減少しないという建付けになっている(はず)です。つまり、(現金は減りますが)スワップによって外貨資産が減ったという話は、帳簿上はおかしな説明と考えられます。また、負債の側に国民年金が入れた等価のウォンが入るので、資産と負債が釣り合います。
「ある」ことになりますが、それは帳簿上の話であって、国民年金基金が使用していますので、すぐには使えません。「何か」がなければいいですね。
(吉田ハンチング@dcp)