そんなことはこっちで決めるわ!――という話です。
韓国の第21代大統領選挙の投開票日06月03日(火)に迫っており、大統領候補者の口もよく回るようになっています。
『共に民主党』統一候補の李在明(イ・ジェミョン)さんは、そもそも「その場その場で口からでまかせを飛ばす人物」ですが、2025年05月14日に釜山を訪問した際には『HMM』を釜山に移転させる――と述べました。
『HMM』は韓国最大手の海運会社ですが(というか大手は『HMM』しかない)、一応(後述)民間企業です。
上掲は、李在明(イ・ジェミョン)さんが掲げた公約ですが、以下のように書かれています。
今から本物の海洋強国!
海洋首都 釜山!☑ 海洋首都釜山の実現のための海運・港湾拠点化推進
☑ 海洋水産部および関連公共機関の釜山移転段階的推進
☑ 釜山海事裁判所新設推進
☑ 青年海洋人材育成および地域定着条件の造成イ・ジェミョン候補署名
(団体署名:全国海洋大学生、韓国海洋大学生)
朝鮮半島に「海洋国」があったことなど史上一度もないのですが(古田博司先生によれば「朝鮮半島は廊下」です)、それは置くとしても、この中には「『HMM』を移転させる」は入っていません。
「さすがに吹いちゃったかしら」と反省したのかというと、この李在明(イ・ジェミョン)さんは、自分の発言に後悔するような人物ではないのです。
なにせ出たとこ勝負で、後からなんとか取り繕う――というスタイルですから。
2025年05月27日、再びFacebookに「先日の釜山遊説でHMM本社の釜山移転を約束した」「この約束は今も有効であり、今後も守られるだろう」と書き込みました。
『HMM』の本社は現在ソウルにあるのですが、どうして民間会社がどこに本社を置くかを大統領、あるいは政府が勝手に決めることができるのでしょうか。
李在明(イ・ジェミョン)さんは、
「『HMM』は民間企業だが、国民が主人の公共企業の子会社だ」
「国民が望むなら釜山移転は十分に可能だ」
――と述べています。
「公共企業の子会社」というのは、国策銀行『産業銀行』、『韓国海洋振興公社』、『国民年金公団』などで70%以上の株式を保有している――という事実を指しています。
先に少しだけご紹介したことがありますが、『HMM』は業績が傾いて売却する予定であり、(例によって※)『産業銀行』が引き受け手を探しているのです。

※Money1では何度もご紹介していますが「この企業を潰すとマズい」という際には『産業銀行』が登場して債権団を束ねて(韓国の損にならない)売却先を探す――のが通例。『双竜自動車』『アシアナ航空』もその例です。こういう醜態を指して『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「構造調整を放置してここまで来た」と言っているのです。「どーして民間でどーにかならんのヨ」というわけです。どうもならんから韓国をやっているのですが。
この状況の中、李在明(イ・ジェミョン)さんは勝手に本社は釜山などと勝手に述べたのです。いい加減なオッサンという他ありません。
また李在明(イ・ジェミョン)さんは、
「『HMM』の釜山移転は単なる地域移転ではない」
「釜山港という国際海運ハブに近づくことで、現場中心の経営を実現し、企業競争力の向上をもたらす実質的な変化だ」
――とも述べています。「現場中心の経営を実現」するかどうかなど企業が決めることであって、大統領が指示することではありません。
本当にいい加減なオッサンです。この人はいつも言うだけで後のことなど全く気にかけないのです。
(吉田ハンチング@dcp)