「韓国は半導体強国!」と自称していますが、それはメモリー半導体に限った話で、薄氷を踏む思い――というのは本当のところです。実際、半導体需要が縮み、在庫がだぶつくと、とたんに会社が傾くのです。
その脆弱さが明らかになったのが2022年終盤から2023年にかけてでした。
今また、『サムスン電子』『SKハイニックス』共に大丈夫か?という声が上がっているのは、メモリー半導体の価格に下落トレンドが出現しているからです。
↑『DRAMeXchnage』はメモリー価格の相場を日々刻々出しているサイトです/スクリーンショット。
↑例えばDRAMではこのように下落トレンド(10月は直近日付まで)
『DRAMeXchnage』のデータによれば、DRAMやNANDフラッシュなどメモリー半導体の取引価格が大幅に下落しています。IT市場の需要回復の勢いにブレーキがかかったのが原因です。
10月に入って、例えばPC用DRAMの汎用製品「DDR4 1Gx8」の取引価格は1.7ドルくらい。直近1カ月前にはだいたい「2.05ドル」でしたから、なんと約17.1%も下落しました。
この下落率は2023年04月に記録した「-19.89%」以来の落っこち具合です。
NANDフラッシュの取引価格も10%以上落ちています。例えばNANDフラッシュ汎用製品「128Gb16Gx8 MLC」の09月平均取引価格は4.34ドルで対前月比11.44%の下落です。NAND価格が下落傾向を見せるのは2023年03月以来のことです。
『トレンドフォース』は「世界的に需要の反騰が弱く、PCメーカーは高水準の在庫を処理している」「企業は第4四半期にも在庫削減を続け、DRAM調達規模はさらに減少する 」と予想しています。またNANDも在庫過剰により価格が下落傾向に入ったと分析しているのです。
韓国メディアでは「合衆国・中国の景気不振でPC・スマートフォンの需要が減り、伝統的なDRAM半導体の業況が予想より暗くなったが、データセンターなど人工知能(AI)半導体需要のおかげで急激に低迷する可能性は低い」としているのですが……。
(吉田ハンチング@dcp)