いまだ回復していない韓国航空会社の件です。といっても世界的に航空産業はどこも経営が苦しいので、業績が良くないのは特に韓国に限った話ではありません。
純損失が累積で1,353億まできた
2021年08月13日、韓国最大手のLCC(格安航空会社)『済州(チェジュ)航空』の第2四半期の決算書が出ましたのでご紹介します。
『済州航空』2021年第2四半期
総売上:751億1,504万ウォン(約70.6億円)
営業利益:-712億499万ウォン(約-67.0億円)
当期純利益:-559億8,655万ウォン(約-52.6億円)⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト
総売上とほぼ同じだけ営業損失が出るという凄まじい赤字となりました。これでも第1四半期よりはましな数字なのです。
2021年01~06月、つまり上期合計では以下のようになります。
『済州航空』2021年上半期
総売上:1,169億4,246万ウォン(約109.9億円)
営業利益:-1,585億2,201万ウォン(約-149.0億円)
当期純利益:-1,353億4,238万ウォン(約-127.2億円)※データ引用元は同上
累積で純損失が「1,353億ウォン」まできました。
無償減資&有償増資のコンボで2,000億調達もまだ危ない
先にご紹介したとおり、『済州航空』は資本蚕食状態から逃れるべく、無償減資を実行してから有償増資を行う旨を予告していました。
無償減資は08月13日の臨時株主総会で認められ、臨時理事会を開催して有償増資も可決しました。
そのため、一応予定どおり無償減資からの有償増資というコンボが決まり、これで2,000億ウォン(約188億円)の獲得が見えました(新株発行および着金がまだですが)。
もう何もかも臨時のドタバタですが、これで別に危機が去ったわけではありません。
韓国では第4次感染が広がっており、いまだ人に移動は限定的。旅客が戻ったわけではないのです。2,000億ウォンでひと息つくかもしれませんが、いまだ自転車操業であることに変わりありません。
なにせ、2020年08月に有償増資を行って「1,506億ウォン」を確保したにもかかわらず、その1年後には無償減資&有償増資のコンボを決めなければならない経営状態なのです。
『済州航空』はまだ飛びそうで飛ばない状況にあります。
(吉田ハンチング@dcp)