『韓国銀行』ユーロ圏の天然ガス需給状況に関するリスク点検

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リアルタイムにご紹介しそこなったのですが、2026年04月10日に『韓国銀行』が公表した「経済状況の評価(2026年04月)」の中に「ユーロ圏のLNG需給」について興味深いリポートが含まれています。

前『韓国銀行』総裁、李昌鏞(イ・チャンヨン)さんは立派な人で「『韓国銀行』こそが最良のシンクタンクたらん」と良質なリポート(というか論文)をスタッフに執筆させました。

論考はいつものリポートの中にも。

ユーロ圏の天然ガス需給状況に関するリスク点検

中東戦争以降、ユーロ圏の天然ガス価格が上昇する中、季節的な在庫積み増しの需要も増加しており、2022年のロシア・ウクライナ戦争当時のような需給不安が再現される可能性があるとの懸念が提起されている。

ユーロ圏は、ロシア・ウクライナ戦争以降、天然ガスの輸入先を多様化させロシア産パイプラインガスへの依存度を低下させ2021年78% ⇒ 2024年58%、その代わりに合衆国などからのLNG(液化天然ガス)輸入比率22% ⇒ 42%を大幅に増やしてきた。

これにより、ユーロ圏は構造的に世界的なLNG価格変動の影響をより大きく受けるようになった。

また季節的に在庫積み増しの時期が到来した上、在庫水準28%も例年20~25年43% 22年26%よりも異例に低い。

②在庫積み増しの負担がかなり高まった状況で、天然ガス価格まで上昇し、衝撃が加わっている。

特に欧州の電気料金は、ガス発電コストに大きく連動する構造であるため、ガス価格の上昇前記比+67%は、電力価格ドイツ卸売価格+31%の上昇として容易に転嫁され、経済全般に迅速かつ直接的な影響を及ぼしている。

ユーロ圏の中東産LNGへの直接的な依存度が4.5%と(高くない)点を考慮すると、今回の中東戦争の影響は、ロシア・ウクライナ戦争当時のように直接的な供給減少による衝撃ではなく、世界的なLNG価格上昇による衝撃という形で現れると見られる。

ユーロ圏経済はこれに対応し、短期的には在庫目標量の柔軟な設定、税金や補助金を通じた電気料金負担の軽減政策を推進している。

しかし、もし戦争が長期化しガス需給不安が持続する場合、アジア地域の国々との物量確保競争の激化により、ユーロ圏の天然ガス調達コストがさらに上昇し企業および家計の負担が増大するなどユーロ圏経済が被る悪影響がかなり大きくなる可能性がある。

ECB(欧州中央銀行)は03月の経済見通しにおいて、中東発のエネルギー価格上昇を反映し電力価格が昨年12月の見通し時点より17%上昇するものと前提し今年の成長率は-0.3%ポイント下方修正、物価上昇率は+0.7%ポイント上方修正した。

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