韓国の産業通商資源部、関税庁から2022年の輸出入動向が出ました。暫定版ではありますが、2022年に韓国の輸出入の様相が異常事態になったことが見て取れます。
先にご紹介したとおり、2022年は最大の輸出相手国である中国との貿易でさっぱりもうからなくなりました。「2022年の貿易収支(輸出 – 輸入)が黒字」の貿易相手国は、以下のようになります(黒字が大きい順)。
2022年 貿易黒字が大きい国Top5
第1位 ベトナム……342.5億ドル
第2位 アメリカ……280.4億ドル
第3位 香港……257.9億ドル
第4位 インド……99.8億ドル
第5位 シンガポール……98.6億ドル次点 中国……12.5億ドル
※通関ベース
⇒データ出典:『韓国 産業通商資源部』公式サイト
これまでは最大の輸出相手国は中国で、最大の黒字(貿易収支プラス)も中国から得ていたのですが、ベトナムが第1位となり中国は6位に転落。
中国での貿易がこれまでのように大きな黒字に復調するかというと……難しいので、中国でのもうけが激減した分をよその国から得なければなりません。
一方、貿易赤字(貿易収支マイナス)の金額を大きい順に並べると以下のようになります。
2022年 貿易赤字が大きい国Top5
第1位 サウジアラビア……-367.1億ドル
第2位 オーストラリア……-260.9億ドル
第3位 日本……-240.7億ドル
第4位 カタール……-160.2億ドル
第5位 ドイツ……-134.5億ドル※通関ベース
⇒データ出典:『韓国 産業通商資源部』公式サイト
5位までを見ていただければ分かりますが、日本以外は全て資源輸出国です。原油・LNG・石炭・鉄鉱石・銅などありとあらゆる資源価格が急騰しましたので、対資源輸出国で貿易赤字が拡大したのです。
そのため、これまで韓国の貿易相手国で赤字1位は7年連続で日本だったのですが、3位に転落しました。しかし、資源輸出国でない日本がTop5に入っているというのはすごいことです。裏を返せば「日本の貿易黒字」なわけで、いかに韓国が日本の中間財・資本財などに依存しているかの証明になります。
貿易黒字のTop5、貿易赤字のTop5、金額を合計すると以下のようになります。
Top5国の赤字:-1,163.4億ドル
小計:-84.2億ドル
「-84.2億ドル」ですから、これは黒字になるわけがありません。
韓国は貿易での黒字が大きくないと成立しない国です。
中国での貿易でカッパげなくなったので、貿易黒字は頭打ち。日本からは韓国の輸出に必須の品目を輸入していますので対日貿易赤字が減るとは思えません。――ということは、キーは資源価格ということになります。
これが下がらないことには韓国の貿易でのもうけは2023年も怪しいママなのです。
(吉田ハンチング@dcp)