韓国は輸出1本で食べている国ですので、輸出が傾くと国が傾きます。韓国の産業通商資源部の資料(暫定値)によれば、2020年に入ってからの「輸出」「輸入」「貿易収支」は以下のようになっています(表組は横にスクロールできます)。
輸出 | 輸入 | 貿易収支 | |
01月 | 431億3,100万ドル | 427億9,000万ドル | 3億4,100万ドル |
02月 | 408億9,200万ドル | 371億6,900万ドル | 37億2,300万ドル |
03月 | 463億5,300万ドル | 420億9,300万ドル | 42億6,000万ドル |
04月 | 365億5,000万ドル | 379億4,300万ドル | ▲13億9,300万ドル |
05月 | 348億5,600万ドル | 344億2,000万ドル | 4億3,600万ドル |
「輸出」は04月「365億5,000万ドル」から05月「348億5,600万ドル」に「16億9,400万ドル」も減少しています。05月中旬ごろから回復傾向といわれたのですが、どうも思惑どおりの結果にはならなかったようです。
つまり、04月に続いて05月もダメでした。
「貿易収支」は「輸出 – 輸入」で求めます。上掲のとおり、04月から05月にかけて回復はしていますが、それでもわずか「4億3,600万ドル」の黒字ですから確定値で赤転する可能性も捨てきれません(04月の貿易収支の数字が国際収支統計となぜか合わないのですがこれについては調べます)。
では、輸出品目を個別に見た場合はどうでしょうか。
韓国の経団連『全国経済人連合会』が韓国の「15大輸出品目」と呼ぶアイテムについて「輸出金額」と「前年同期比」を見ると以下のようになります(表組は横にスクロールできます)。
15大輸出品目 | 05月輸出金額 | 前年同期比 |
半導体 | 80億8,600万ドル | +7.1% |
一般機械 | 34億800万ドル | ▲27.8% |
石油化学 | 23億6500万ドル | ▲34.3% |
自動車 | 18億500万ドル | ▲54.1% |
鉄鋼 | 17億7,800万ドル | ▲34.8% |
船舶 | 16億1,100万ドル | +35.9% |
コンピューター | 11億9,600万ドル | +82.7% |
バイオヘルス | 11億7,100万ドル | +59.4% |
ディスプレー | 10億9,900万ドル | ▲29.7% |
石油製品 | 10億5,800万ドル | ▲69.9% |
無線通信機 | 8億4,800万ドル | ▲22.2% |
繊維 | 6億9,300万ドル | ▲43.5% |
自動車部品 | 6億4,800万ドル | ▲66.7% |
二次電池 | 5億5,300万ドル | ▲10.3% |
家電 | 3億8,100万ドル | ▲37.0% |
小計 | 266億8,200ドル | ▲25.2% |
上掲のとおり、15大輸出品目全体では「▲25.2%の減少」。04月も「▲29.3%の減少」でしたので2カ月連続して20%台のマイナスです。船舶の増加はカタールから大量受注したLNG運搬船の影響が現れていると思われます。またバイオヘルスは「K防疫」と称している「検査キット」などの輸出が効いているでしょう。このような季節要因を取り除くと、回復していると見られるのは「半導体」と「コンピューター」だけということになります。
輸出産業の回復が遅れることは韓国経済にとって致命的です。06月がどうなるかに要注目です。
⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』「15大品目の輸出市場、バイオ・ヘルス回復開始、鉄鋼は来年下半期」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
(柏ケミカル@dcp)