2020年06月12日、韓国メディア『毎日経済』に面白い記事が出ました。
ホンジュラスのフアン・オルランド・エルナンデス・アルバラード大統領と文在寅韓国大統領が電話で会談し、経済協力について話し合ったのですが、その際、文大統領肝いりの企画「韓国版ニューディール」をアピールしたというのです。
記事から一部を引用します。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日、ホンジュラスのフアン・オルランド・エルナンデス・アルバラード大統領の経済協力要請に「デジタルニューディールを推進する計画だ。ホンジュラスの電子政府推進事業と連携することができるだろう」と明らかにした。
(中略)
現在電子政府事業を推進しているホンジュラスに韓国政府の電子政府の経験伝授はもちろん、デジタルニューディールとの協力の意志を明らかにしたものである。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「【レーダー】ホンジュラスからの経済協力要請に文『デジタルニューディール伝授』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
「デジタルニューディール」というのは、先にご紹介した「韓国版ニューディール」の中の一つで、5Gインフラの拡充、クラウド、AIなどの分野に新規投資し、雇用を創出しようという計画です。予算規模は13兆4,000億ウォン(約1兆1,950億円)※1。
記事タイトルに「文『デジタルニューディール伝授』」なんて書いてありますが、伝授するもなにも、これから推進するのでまだなんにもないのです。
「韓国政府の電子政府の経験」が何を指してるのかも不明です。韓国政府、各省庁の公式サイトにアクセスしていただければ分かりますが、「https」にもなっていません。以下は例です。
⇒『青瓦台 韓国大統領府』公式サイト
http://www.president.go.kr/⇒『韓国 企画財政部』公式サイト
http://www.moef.go.kr/
政府から独立していますが(笑)、中央銀行である『韓国銀行』も以下のとおりです。
⇒『韓国銀行』公式サイト
http://www.bok.or.kr/
アクセスするとブラウザーに「保護されていない通信」という警告が出るはずです。通信がSSL化すらされていない国の「電子政府の経験」ってなんでしょう。
要はホンジュラスにお金を出させたいのでは?
邪推かもしれませんが、ホンジュラス政府が推進しているという「電子政府事業」にかこつけて協力の名の下に「お金を出させたい」のではないでしょうか。
しかし、「お金を出させたい」のはエルナンデス大統領も同じなようで、同記事内に以下のような発言があります。
エルナンデス大統領は「公共交通機関の事業や電子政府事業などに韓国企業が参加して投資すれば、韓国と中米諸国の両方に役立つだろう」との共同事業を提案した。
続いて「電気自動車とガス車、農業分野などでも韓国が先進国であることをよく知っている」とし、韓国の技術伝授を要請した。
エルナンデス大統領の主旨としては「投資してくれ」(お金出してくれ)ってことなのです。また狙っているのは「自動車」「農業」の分野なようです。若干、文在寅大統領が「伝授したいもの」とは若干ズレがありますね。
「韓国版ニューディール」については以下の記事を参照いただけると幸いです。
この計画に総額76兆ウォンが投入される予定で、そのため韓国政府の借金は2022年に1,000兆ウォンを超えるのです。
※1円への換算は2020年06月13日のレート「1ウォン=0.089円」を用いました。
(柏ケミカル@dcp)