韓国の輸出が全体としては回復の兆しを見せていますが、これは業種によってずいぶん異なります。
特に好調なのはいわずもがなの「半導体」で、さっぱり回復しないのは「石油製品」。何度かご紹介していますが、韓国の精油企業は世界的に原油価格が落ち込んだ影響をもろに受けて経営が大変なことになっています。
韓国には『SKイノベーション』『S-Oil(エスオイル)』『現代Oilbank(オイルバンク)』『GS Caltex(カルテックス)』という4つの大手精油企業があります。以下に4社の第1~3四半期の営業利益をまとめました(単位:ウォン)。
『SKイノベーション』 | 『S-Oil』 | 『現代Oilbank』 | 『GS Caltex』 | |
第1四半期 | -1兆7,752億 | -1兆73億 | -5,632億 | -1兆318億 |
第2四半期 | -4,397億 | -1,643億 | 132億 | -1,333億 |
第3四半期 | -289億 | -93億 | -194億 | 2,971億 |
小計 | -2兆2,438億 | -1兆1,809億 | -5,694億 | -8,680億 |
回復傾向にはありますが、4社を合算すると営業利益は「-4兆8,621億ウォン」にもなります。大赤字です。
先にご紹介したことがありますが、韓国の精油企業は「精油マージン」が「4ドル/バレル」ないと黒字にならないといわれています。ところが、
2020年11月
第2週:1.3ドル/バレル
第3週:0.9ドル/バレル
第2週:1.3ドル/バレル
第3週:0.9ドル/バレル
とまた下落傾向にあるのです。そのため精油企業の業績が回復するのは当分先になりそう、と見られます。韓国精油企業の苦難はまだ続きそうなのです。
(吉田ハンチング@dcp)