先に、韓国で1日の暗号資産の取引量がKOSPIを抜いた件をご紹介しました。どうも暗号資産を使って資産隠しを行う例が増えているようで、当局が追跡調査に乗り出しています。
2021年03月15日、韓国の国税庁は「暗号資産を保有し国税を滞納している2,416人(約)を見つけだし、計366億ウォン(約35億円)を徴収・差し押さえた」ことを明らかにしました。
暗号資産はマネーロンダリングなどに使われる懸念がある――というのは各国の当局のご意見ですが、韓国では「資産隠し」に適したものと考えられているようです。
本件を報じた韓国メディア『毎日経済』の記事には、以下にような例が引かれています。
ソウル江南の病院を運営するAさん
病院の収入39億ウォン(約4億円)を仮想通貨で秘匿したまま、高価マンションに居住するなど豪華な生活をして、27億ウォン(約3億円)を滞納した。
京畿道のBさん
48億ウォン(約5億円)の不動産を譲渡し、譲渡所得税12億ウォン(約1億円)を滞納したので暗号資産を差し押さえられた。
どうも、暗号資産の形で保有していると通常の資金とは違って当局にはたどれないと思われているようです。また「国税庁が差し押さえたのは『出金請求債権』『返還請求債権』など」とのことで、暗号資産そのものを差し押さえたのではないとのこと。
さらに差し押さえてもウォレットのパスワードなどが分からなければ現金化できないという困難もあるようです。上記のAさんは、さらに暗号資産が上がると考えているのか、差し押さえられた暗号資産を現金化するのではなく、別のところから税金を捻出したとのこと(笑)。
(吉田ハンチング@dcp)