ウォンに対して円安が進行しており、韓国の投資家の皆さんも日本市場にお金を突っ込むようになっています。
以下が直近の円-ウォンのチャートです(チャートは『Investing.com』より引用:日足)。
09月01日の終値は「1円=9.0083ウォン」です。あわや「9.0ウォン」を割るかというところまでウォン高・円安が進行しています。
ここまで円安が進行すると、さすがに円建て投資を行うという人も増えます。先にご紹介したとおり、『韓国銀行』のデータによると、韓国居住者による円建て預金は「2023年07月:83.1億ドル」まで増加しました。
ちなみに、円建ての預金が80億ドルを超えたのは韓国史上初めてのことです。これで円高になったら大儲けという腹なのですが……。
韓国の韓国預託決済院が面白いデータを公表しています。
2023年08月01~30日で、韓国内の投資家が日本株式を「1億427万ドル」純買い入れ(買い越し)た――というのです。
2022年同期がわずか「946万ドル」に過ぎませんでしたので、なんと「11.0倍」に増えました。
2022年には2,412万ドル規模の日本株を純売却(売り越し)だったのに、2023年はここまで「3億9,017万ドル」規模の純買い入れとなっています。
円安によって輸出企業の業績が向上し、それを当て込んで資金が流入しているのものと見られます。中国共産党の支配する中国市場が全くアテにならないので、中国市場から抜けた資金が投入先として日本を選択しているのも大きいです。
韓国の証券専門家は「円安基調がしばらく続き、日本株式市場が来年まで活況を呈する」と予想しています。
例えば、『NH投資証券』の日本専門アナリスト、キム・チェユンさんは「円安が日本輸出企業の業績改善要因として作用している。日本株は来年の秋まで長い上昇基調を続けるだろう」と述べています。
通貨安政策は「近傍国窮乏政策」でもあるので、韓国にとっては注意が必要なのです。しかし、現在のところ韓国政府から日本に「円安についての文句」はないようです。
(吉田ハンチング@dcp)