中国が韓国からお金を吸い上げている、という話。中国への送金6倍の105億に

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韓国メディア『朝鮮日報(日本語版)』で暗号資産取引所における「キムチプレミアム」についての興味深い記事が出ています(ヤな名前のプレミアムだねどうも)。

中国の投機屋が、キムチプレミアムを利用して韓国の暗号資産取引所でもうけ、お金を大量に中国に送金しているというのです。

暗号資産の取引をされない方には分かりにくいかもしれないのですが、すぐにどういうことか分かりますので少だけ我慢していただいて、以下に記事の一部を引用します。

韓国の仮想通貨相場が海外よりも割高な「キムチプレミアム」現象を利用し、中国の仮想通貨投資家が組織的に差益狙いの取引を行っていることが分かった。

仮想通貨価格比較サイトによると、23日午後4時現在、世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスでのビットコイン価格は4万8,872ドル(約527万円)。

これに対し、韓国国内の取引所アップビットでは5,789万ウォン(約560万円)だった。

両取引所での価格差は300万ウォンを超える。このように韓国国内の取引所での価格が海外の取引所を上回る現象を「キムチプレミアム」と呼ぶ。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「中国の投機勢力ばかりがもうける韓国仮想通貨市場、対中送金は10倍増」

なんの話をしているかというと、いわゆる「アービトラージ取引」についての報道です。「アービトラージ」、略称「アビトラ」あるいは「アビ」は、暗号資産の取引でしばしば使われる、暗号資産の流動性の偏りにつけ込んでもうける手法です。

例えば、記事内にあるように、

『バイナンス』:「1ビットコイン=527万円
『アップビット』:「1ビットコイン=560万円

であるなら、即座に『バイナンス』で買って、『アップビット』で売ればノーリスクで「33万円」もうけることができますね。

「アービトラージ」は「裁定取引」と訳されますが、暗号資産の場合、このような取引所の価格差を狙って取り引きする手法のことを指します。

暗号資産は、各国、各取引所によって価値に偏りがあります。これは流動性に偏りがあるからです。

で、韓国の場合、暗号資産の価格が他国・他の取引所よりも高くなることが多いので、このアビトラのターゲットになることが多いというわけです。また、この価格が高くなりがちなことを「キムチプレミアム」と同記事では呼んでいるのです。

しかも、中国の投機家がよその取引所で買って、韓国の取引所で売ることが多いと嘆いています。なぜそれが分かるかというと、売ってもうけたお金を韓国から中国へと送金するからです。

韓国の非居住者(要は外国人)による中国への送金額の推移は以下のようになるとのこと。

01月:1,590万ドル(約17億1,800万円)
02月:810万ドル(約8億7,521万円)
03月:1,350万ドル(約14億5,868万円)
04月01~13日:9,759万ドル(約105億4,460万円)

ご覧のとおり、「01月:1,590万ドル」が04月は13日までの段階で約6.1倍の「9,759万ドル」にまで膨らんでいます。

同記事では、

(前略)
市中銀行関係者は「中国の仮想通貨投資家が『キムチプレミアム』による差益を得て、多額の送金を行ったとしか説明がつかない」(後略)

と書いています。もしそのとおりなら、中国の投機屋は「韓国は美味しい!」と笑いが止まらないでしょう。もちろん、その分のお金が韓国から抜けているわけです。

(吉田ハンチング@dcp)

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