「ワクチンも電力も不足している国は誰の責任か」は韓国メディア『毎日経済』の記事タイトルです。
「電力不足」「ワクチン不足」共に韓国経済に大きな影響を与える状況ですので、経済紙が扱うのは当然ですが、なかなか辛辣なタイトルと内容です。
韓国政府は「ワクチンの需給に問題ない」というが……
韓国政府は、ワクチンの需給問題が提起される度に「何の問題もない」と一蹴してきましたが、現実にはワクチン不足によって接種が進まないという事態に陥っています。
政府の発言を挙げると以下のようになります。
2020年12月9日
文在寅大統領「4400万人分のワクチン物量を確保した。集団免疫に十分な量」と発表2021年01月20日
「国民皆がワクチンを迎えることができるように十分な量のワクチンを確保した」
2021年04月12日
「ワクチン需給の不確実性を著しく下げていると自信を持って言うことができる」2021年05月03日
「韓国の人口の2倍以上のワクチンをすでに確保した」2021年05月10日
「11月に集団免疫を達成するという目標が当初の計画よりも早まる。コロナとの戦争で終わりが見え始めた」2021年06月07日
「ワクチン接種率が急激に上昇している」2021年07月05日
「今月から十分なワクチン量がより安定的に供給されるだろう」⇒参照・引用元:『毎日経済』「ワクチンも電力も不足している国は誰の責任か」
これら発言の上で以下のように指摘しています。
(前略)
先月20日(0時基準)1次接種率が29.2%だったが、7月19日現在31.4%である。1カ月で接種率が2.2%ちびりちびちと上がるのにとどまっている。すぐに使用できるワクチンが十分でないため思うように接種できなかったからである。
2次接種率はさらに深刻である。12.8%に過ぎない。1次接種率の数値を高めようと、2次接種分に保持しなければならに量まで1次分として大量に使用したせいだ。
これでもワクチン需給に問題がないと言い続けるのか。
政府の主張どおりワクチン需給に問題がないなら、今のように年齢別接種の予約を受け付ける必要もないはずだ。
(中略)ワクチン需給には全く問題がないと現実とかけ離れた主張をオウムのように繰り返すのは、国民を欺く無責任な行動だ。
(後略)※引用元は同上。赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
韓国では年齢別の接種、職種による接種を進め、予約サイトを運営していますが、すぐに予約が一杯になる、サイトがダウンするなどの状況となっています。
電力についての政府の対応は支離滅裂
電力不足についても厳しく糾弾しています。以下に一部を引用します。
(前略)
需給がひっ迫している電力も同じだ。世界の流れと逆行する脱原発に暴走すると電力不足が発生するかもしれないと科学者から多くの警告が発せられたが、政府は頑として聞かなかった。
「正常な原発をなぜ動かさないのか」という指摘されると、電気が余っているというとんでもない詭弁まで述べた。
脱原発のせいで電力不足になるという現実を否定して、原発の代わりに2年前に永久停止させた石炭火力発電所4基を再稼働するという、自ら課した抑止を外す不合理な判断を行った。
電力予備率が一桁台に落ちるや、整備を理由に放置していた原発3基をあたふたと稼働するとして、(脱原発の:筆者注)政府の主張は一歩後退した。
(後略)
※引用元は同上
記事タイトルでは「誰の責任か」と問うていますが、国のトップである文在寅大統領を名指ししているも同然です。
(吉田ハンチング@dcp)