『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は利上げについて言及しています。2021年内に先制的に利上げに踏み切ることは、今や規定路線と見られています。
しかし、問題なのは過去最高に膨らんだ負債です。特に危ないのは家計負債。
70%超が変動金利であるため、金利が上昇すると借金の利子負担が増加して、低所得世帯の場合、負担増に耐えられない可能性があります。ここで多くのデフォルト(債務不履行)が起こると韓国経済に与える影響は大きなものになります。
なにせ家計負債の最大のものは不動産ローンです。利払い遅延・デフォルトなどの流動性の梗塞は不動産の売り圧力になり、これが加速すると不動産バブルを崩壊させる可能性があるのです。不動産価格の調整局面は先に『韓国銀行』が試算したとおりに、消費と雇用を喪失させる甚大な被害を与えるでしょう。
で、焦点の「変動金利」ですが、意外なデータが明らかになりました。
『韓国銀行』のまとめたデータによると、2021年06月時点での新規家計向け貸し出しでは、変動金利のローンの割合が「81.5%」になっています。
『韓国銀行』が利上げをすでに宣言しているというのに、それでも変動金利を選択する人が多いのです。
ちなみに、この「81.5%」は2014年01月(85.5%)以来の最大値です。
つまり、たとえ『韓国銀行』が利上げを行っても「すぐにローンの金利が上昇するとは見ていない」わけです。
これは先にご紹介しましたが、『韓国銀行』によれば、
と試算されています。
コロナ禍からの回復途上で「そんなスグにローン金利に反映されないだろう」と考えるのは無理もありませんし、『韓国銀行』は「2021年に2回利上げを行ってもまだ金融緩和状態だ」とうそぶいていますが、果たしてそれは正しいでしょうか。
もし正しくなかったら、事態は急に動くのでは。
(吉田ハンチング@dcp)