「ほら、やっぱりお金がなかったでしょ」と明らかになりました。
2020年のコロナ禍の中、文在寅大統領が「韓国の基幹産業を救う」としてぶち上げた「基幹産業安定基金」ですが、Money1ではその基金にはお金がないのではないのか、と疑念を呈してきました。
そもそもの立て付けは、産業銀行が主管して、投資家に発行した債券を買ってもらい「40兆ウォン」(約3兆8,000億円)を集めるというものでした。
国がケツ持ちを行うわけで、こういうのを国家保証債券と呼び、国家債務の一つになります(デフォルトが発生した場合には実際の債務となる:国家保証債務)。
本当に40兆集めたのか?だったのですが……。
ほらやっぱり集めてなかったじゃん
この国家保証債務残高が減る、という話が韓国メディア『文化日報』に出ているのですが、この中に見逃せない部分があるのです。
(前略)
今年の国家保証債務残高は、2020年コロナ19に経営難に苦しむ基幹産業を支援するために40兆ウォン規模で造成された「基幹産業安定基金」(基安基金)の債券が限度まで全て発行されると仮定して、50兆2000億ウォンであるが、実際には基安基金の資金需要などが多くなくて、年末基準で11兆3,000億ウォンにとどまると記載部展望した。基安基金の債券の昨年の発行実績は予想より早い金融市場の回復などで5,000億ウォンに過ぎなかった。
(後略)
このように、結局「基幹産業安定基金」が債券に発行して集めたお金は結局、2020年にわずか「5,000億ウォン」(約475億円)に過ぎなかったのです。
「基安基金の資金需要などが多くなくて」なんて書いていますが、これは韓国政府が「総借入金5,000億ウォン・労働者数300人以上の企業が申請できる」という高いハードルを設け、かつ、支援を受けた後、6カ月間は労働者数を少なくとも90%以上に維持する――と申請しにくくしたからです。
その結果、お金を貸し手くださいと申請を出す企業はほとんどない状態となりました。
本当に基幹産業を救う気があったのか甚だ疑問です。
また、おかしな話があります。2021年05月10日の韓国メディア『毎日経済』の記事によれば、
と報道されていたのです。5,000億ウォンしかお金を集めていない基金がどうして6,200億ウォンの支援を行えたのでしょうか。
国策銀行『産業銀行』が出したのではないか、など謎は深まるばかりでございます。
(柏ケミカル@dcp)