Money1では「1ドル=1,200ウォン」を防衛線と呼び、このラインを突破してウォン安が進みそうになると韓国通貨当局が為替介入を行っているのではないかと推測してきました。
「1ドル=1,200ウォン」が韓国通貨当局が為替介入を行うラインだという傍証があるのです。
2020年03月31日『毎日経済』に「昨年第4四半期の外国為替当局市場の安定で外国為替純取引額『0億ドル』」という記事が出ました。
記事の主旨としては、2019年第4四半期(10-12月)に韓国当局が為替レートの安定のために費やしたお金は「0億ドル」だった、というものです。ただし、この0億ドルは、「ウォン売り・ドル買い」と「ドル買い・ウォン売り」の差し引きの「純投入額」ですので、全くお金を突っ込まなかったということではありません。
以下の月足チャートを見てください。「月足」ですので、ローソク足1本は1カ月の値動きを示します。
ご覧のとおり、2019年第4四半期というのは「1ドル=1,200ウォン」のラインを超えてウォン安が進行していません。10月にヒゲがかかっている部分がありますが、これをローソク足1本が1日の値動きを示す「日足」で見ると以下のようになります。
ご覧のとおり、「1ドル=1,200ウォン」を超えて値動きしたのは、
10月01日 始値「1,190.09」-終値「1,203.37」/高値「1,204.61」
10月02日 始値「1,203.37」-終値「1,205.37」/高値「1,207.89」
10月03日 始値「1,205.37」-終値「1,201.89」/高値「1,206.99」
10月04日 始値「1,201.89」-終値「1,192.25」/高値「1,203.58」
10月08日 始値「1,197.33」-終値「1,200.02」/高値「1,200.31」
10月09日 始値「1,200.02」-終値「1,198.50」/高値「1,200.40」
10月10日 始値「1,198.50」-終値「1,190.46」/高値「1,202.08」
の7日だけ。また「1,200ウォン」を超えても高値は「1,207.89ウォン」ですので、これぐらいなら押さえ込めるし、あとでドルを買い戻せば、費やしたお金は「0」で済むわけです。
同記事から一部引用します。
(前略)
外国為替当局が昨年第4四半期の市場の為替安定のために行った外国為替純取引額は0億ドルだった、と韓国銀行が31日に公開した。ドルを買収した金額と売却した金額が同じだったという意味だ。
これは、昨年第3四半期(28億7,000万ドルの売り越し)と前年同期(38億ドルの売り越し)とは異なった流れである。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「昨年第4四半期の外国為替当局市場の安定で外国為替純取引額『0億ドル』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーラインは筆者による(以下同)
と述べていますが、「0億ドル」で済んだのはそもそも「1ドル=1,200ウォン」を超えなかったので為替介入が必要なかったためと推測できます。2019年第4四半期は、韓国通貨当局も安心してチャートを見ていられたでしょう。
2020年04月03日現在はその防衛線を超えておよそ「1ドル=1,236ウォン」に達しています。そのため、韓国通貨当局は2020年第1四半期にかなりの額の「ドル売り・ウォン買い」を行い、ドルを溶かしたはずなのです。
(柏ケミカル@dcp)