これも韓国経済にささやかれる「四月危機」の中の一つの光景なのでしょう。韓国の自動車メーカー『双竜自動車』が資金難で瀕死状態です。
『双竜自動車』の資金難
『双竜自動車』は1954年にソウルで創立された『河東煥自動車製作所』をルーツに持つ古い企業ですが、すでにインドの自動車メーカー『マヒンドラ&マヒンドラ』が70%の株式を保有、その傘下企業となっています。
この『双竜自動車』は大変に業績がよろしくなく、2019年12月の段階で12期連続の赤字です。そのため資金難に陥っており、韓国政府と『韓国産業銀行』に支援を求めたのですが、両者は「まず親会社にいいなさいよ」とこれを拒否(というか回答保留)。
『双竜自動車』は『マヒンドラ&マヒンドラ』に「5,000億ウォン」の支援を要請し、『マヒンドラ&マヒンドラ』は2020年01月に「『2,300億ウォンを投資する』としていました。
ここまでが前フリです。
新たな資金提供者が出なければドボンの可能性
2020年04月04日、『朝鮮日報』に「マヒンドラ『新規投資ができない』『瀬戸際』に追い込まれた双竜車」という記事が出ました。
同記事によれば、『マヒンドラ&マヒンドラ』は「2,300億ウォンの投資」を撤回。「今後3カ月間で最大400億ウォンの一回限りの資金投入を行う」ことにしたのです。
該当部分を引用します。
(前略)
計画撤回はマヒンドラもコロナ事態に資金が不足しているからである。インドでもコロナ感染者が急速に増えており、これにより緊急サービスを除くすべての経済活動が全面中断された状態だ。
マヒンドラはコロナ事態に打撃を受けた複数の事業部門に資本を配分する案を話し合った後、双竜車の投資の撤回を決定した。
代わりに、双龍自動車のビジネス運営が可能なように、今後3カ月間で最大400億ウォンの一回限りの資金を特別に投入することにした。
マヒンドラは「資金を支援するほか、さまざまな支援策は、サポートし続けるだろう」と明らかにした。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「マヒンドラ『新規投資ができない』『瀬戸際』に追い込まれた双竜車」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーラインは筆者による(以下同)
また、『ソウル経済』は以下のように伝えています。
双竜自動車再生の最後の希望だった親会社マヒンドラが資金支援を撤回し、独自に生き残りの道を探すように要求するに至り、同社の生存自体が危険にさらされることになった。
産業銀行から受けた融資残高900億ウォンの返済期限が7月に迫っている。
3カ月以内に産業銀行が支払い猶予などの支援を行われなければ不渡りを避けられない。産業銀行は、親会社のサポートが先行するのであれば支援を検討する、という立場を崩していない。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「【単独】マヒンドラ『双竜自動車は独力で生き残れ』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
3カ月間は事業を運営できるかもしれませんが、必要な資金は(2019年12月段階で)「5,000億ウォン」だったわけで、新たな資金提供者が現れなければ『双竜自動車』が破綻するかもしれましれません。まさに瀬戸際です。
(柏ケミカル@dcp)