韓国の次期大統領選挙の投票日03月09日が迫ってきました。
政府与党『共に民主党』の統一候補である李在明(イ・ジェミョン)さんと、野党第一党『国民の力』の統一候補である尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの一騎打ちと見られてきたのですが、ここにきて野党『国民の力』の安哲秀(アン・チョルス)さんが支持率を伸ばしています。
以前、ソウル市長選挙のときに少しだけご紹介したことがありますが、この安哲秀(アン・チョルス)さんはどちらかというと保守系の人です。
ソウル市長選挙の際には、保守系を一本化するために、当選した呉世勲(オ・セフン)さんに譲って自身は下りたことがあります。
ここにきて安哲秀(アン・チョルス)さんが支持を集めているのは、保守寄りの支持者でも「尹錫悦(ユン・ソギョル)さんでは駄目だ」という層の受け皿になっているためです。
直近、2022年01月17日の韓国の『リアルメーター』の調査結果では、李在明(イ・ジェミョン)さん、尹錫悦(ユン・ソギョル)さん、安哲秀(アン・チョルス)さんの支持率の推移は以下のようになっています。
ご覧のように、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが再び李在明(イ・ジェミョン)さんを抜き返しました。
最新の調査では、
李在明(イ・ジェミョン):36.7%
安哲秀(アン・チョルス):12.9%
となっています。ただし、尹さんと李さんの差は「3.9%」しかありませんので、これは誤差の範疇といわれています。
焦点は、尹さんと安さんの一本化がなるかどうかですが、これについては安さんが否定しています。理由は「ソウル市長選挙のときに呉さんに譲って非常に後悔したから」だそうです。
それでも、尹さんの「40.6%」と安さんの「12.9%」を足すと「53.5%」で、李さんの「36.7%」を圧倒的に上回ります。そのため、最後の最後まで一本化のための調整は試みられるでしょう。
尹さんが抜き返したのは「フェミニスト運動家」をキャンプから放逐したから、という話
一時、李在明(イ・ジェミョン)さんが尹錫悦(ユン・ソギョル)さんを抜きましたが、これは例の経済談義が相当効いたと見られます。
李在明(イ・ジェミョン)さんが尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの支持率を抜いたという現象について、西岡力先生がYouTubeの『Will増刊号』で興味深い説明をされていました。
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの支持が下がったのは、韓国の20代の男性の支持が抜けたからだというのです。また、抜けた理由というのが、フェミニズムに対する嫌悪感だと指摘していらっしゃいます。
詳細は、以下の動画を実際に見ていただきたいのですが、韓国では非常にフェミニズムの運動家が強く、それに特に若い男性が反発しているのです。韓国のネット上で「男女が分断されてしまった」という書き込みが散見されるのは、このような状況を反映してのことです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの選対本部(キャンプ)に、西岡先生の言葉をお借りすると「田嶋陽子さんのような人」が入ったため、「ええーっ」となった20代の男性が離れた――と。で、尹さんは選対本部を一気に解散して再編(その運動家の方も放逐されました)。『国民の力』の若き党首・李俊錫(イ・ジュンソク)さんとも和解して立て直しました。
李俊錫(イ・ジュンソク)さんは「(支持率が戻るのに)2日かかったな」という言葉をSNSに書き込んでいます。
残り2カ月を切った韓国の大統領選挙ですが、この先いかなる展開が待っているでしょうか。注目いたしましょう。
(吉田ハンチング@dcp)