買収話が頓挫して結局債権団管理となった、韓国第2の航空会社『アシアナ航空』。
債権団の主力は国策銀行の『産業銀行』『輸出入銀行』ですので「国営化」みたいなものですが、両行としては早く建て直ってもらってどこかに売却するつもりです。
しかし、あちこちからお金を借りておりその金利払いもやっとの状態。借金返済もそうですが、運転資金に事欠く状態です。
仕方がないので(いまだに40兆ウォン集まったという話をさっぱり聞かない)「基幹産業安定基金」から「2兆4,000億ウォン」を出すことにしました。
この2兆4,000億ウォンの80%はローンで貸し付け、残りは転換社債を購入するという形になります。
面倒くさい方は飛ばしていただいても大丈夫ですが、転換社債というのは、「発行するときに決めた価格で株式に換えることができる社債」です。つまり「基幹産業安定基金」(主管は『産業銀行』)は、うまいこと『アシアナ航空』が再建できたら株式を売却し、利益を出すことも可能というわけです(株価が上がっていたらですが)。
しかし、これに韓国内から異論が出ています。
過度の財政援助である
というのです。
『産業銀行』と『輸出入銀行』はすでに、
2019年に1兆6,000億ウォン
2020年に1兆7,000億ウォン
計:3兆3,000億ウォン
2020年に1兆7,000億ウォン
計:3兆3,000億ウォン
を突っ込んでいます。これにプラスして「2兆4,000億ウォン」ですから、先にご紹介したとおり「底なし沼状態」です。
確かに過度の支援と言われても仕方ないかもしれません。
コロナによる損失の規模を超えている
『アシアナ航空』の時価総額は現在「9,000億ウォン」に過ぎない
(投入金額で『アシアナ航空』が幾つ買えるんだ!)
税金の無駄使い以外の何物でもない
『アシアナ航空』の時価総額は現在「9,000億ウォン」に過ぎない
(投入金額で『アシアナ航空』が幾つ買えるんだ!)
税金の無駄使い以外の何物でもない
と指摘されているのです。
確かに指摘はもっとも至極なのですが、何度でも言いますがそもそもが2019年の段階で破綻していた企業なのです。だからこそ買収話が2019年末にあったわけです。
ですから、ここまで引っ張らず、もっと早い段階で「法定整理を進めよう」という判断が必要だったのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)