先に韓国政府の対外債権と対外債務について見ましたが、韓国の中央銀行である『韓国銀行』についても確認してみましょう。以下になります。
対外債権は外国から取り立てることができるお金、対外債務は外国から取り立てられるお金です。
対外債権は「4,656億ドル」(約53兆877億円)もありますが、この金額は外貨準備(Reserve assets)「4,640億ドル」(約52兆9,053億円)とほぼ一致します。しかし、『韓国銀行』の説明、「韓国の外貨準備は政府と中央銀行が保有しているもの」とは合致しません。
この「IIP」の資料によれば、韓国政府の持つ対外債権は「456億ドル」で、『韓国銀行』の「4,656億ドル」と足せば「5,112億ドル」なのに、同資料では(そして『韓国銀行』が公表した2021年09月の)外貨準備高は「4,640億ドル」となっています。
念のために、以下に『韓国銀行』が公表した2021年09月時点での外貨準備のデータを貼っておきます。
↑『韓国銀行』が公表した2021年09月末時点での外貨準備高。「4,640億ドル」となっており、『韓国銀行』が2021年11月18日に公表した「IIP」のResereve assetsとは合います。⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年9月末の外貨準備高」
なぜ合わないのでしょうか。可能性は二つだけ。『韓国銀行』の外貨準備に対する説明が間違っているか、公表されている数字が間違っているか、です。
それはさておき、中央銀行『韓国銀行』の対外債務は459億ドル(約5兆1,993億円)しかありませんので、純債権は「4,197億ドル」(約47兆8,542億円)にもなります。つまり、外国から取り立てることのできるお金の方がはるかに多いわけで、一応は安心できるように見えます。
しかし、『韓国銀行』の債務は拡大しています。
2020年第4四半期:301億ドル(約3兆4,320億円)
2021年第1四半期:344億ドル(約3兆9,223億円)
2021年第2四半期:459億ドル(約5兆2,335億円)
特に、2021年第2四半期には対前期比で「33.4%」(115億ドル)も増えているのです。なぜ中央銀行の対外債務がこれほど増えるのかという根本的な疑問もありますが、これは外貨調達に励んでいるからではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)