2022年01月11日、韓国政府与党『共に民主党』の統一大統領候補である李在明(イ・ジェミョン)さんが、経済成長戦略について公約を発表しました。
高句麗の騎兵のようにデジタル産業・技術領土を拡張する
先に明らかにされた「555公約」(世界第5位の国力(G5)、国民所得5万ドル、KOSPI5,000)はそのままに、「世界第5位になるためには科学技術・産業・教育・国土大転換の4つの大転換が必要だ」と述べています。
その上で、以下のような公約が発表されました。
●10大未来戦略技術を「大統領ビッグプロジェクト」に指定
⇒人工知能・量子技術・宇宙航空など●デジタル転換分野に135兆ウォンを投入
⇒これにより200万の雇用を創出する●デジタルに特化した人材100万人を養成する
⇒「高句麗の騎兵のようにデジタル産業・技術領土を拡張する」と発言●「5極3特体制」にする
⇒5つの超広域メガシティと3つの特別自治区に発展させる●高速鉄道を中心に国の交通体系を再編する
・大邱-大邱月光の鉄道を早期に推進する
・加徳島の新国際空港をはじめとする航空網の整備を行う
・首都圏や釜山の都市鉄道区間を地下化するetc
「高句麗の騎兵のように」というのが奮っていますが、確か高句麗は唐によって滅ぼされたのではなかったでしょうか。
驚くのは「加徳島」の新国際空港を本当に造るのか、という点です。
先にご紹介したことがありますが、この釜山・加徳島の新国際空港というのは、構想だけはあったものの「そもそも空港を建設する場所には適さない」と判断されていました。
離着陸の際に飛行機が常に横風にさらされるという環境(上掲)。
しかも朝鮮半島の南の端っこですので、空港から首都ソウルまで交通の便が悪いことおびただしいのですKTXで2時間30分~3時間)。
そのため、経済性はほぼない、と判断されていました。
そんなところに国際空港を造ってどうするんだ――というわけです。
なぜこれが復活したかというと、先の釜山市長選挙(補選)で与党が勝ちたいがために「ばらまき」を約束したためです。
韓国政府は建設を約束する法律まで通しました。文在寅大統領は全く乗り気でなかった国土交通部の長官を叱咤してまで通したのです。
しかし、市長選挙では野党候補に圧敗。
このいわくつきの新国際空港を李在明(イ・ジェミョン)さんは、(よせばいいのに)公約にしてしまいました。
総じていえば、李在明(イ・ジェミョン)さんの公約は韓国政府が巨額を突っ込む話ばかりです。
確かにこれでお金が回るようになれば、韓国経済は発展するかもしれません。国がお金を使って経済を活性化させる――決して間違った考えではありません。一方で、韓国政府の負債が急増することは確かです。
「大丈夫だ」は自己申告では駄目なのです
もし李在明(イ・ジェミョン)さんが大統領になったら、文大統領以上に政府負債を積む大統領になるのではないでしょうか。
なにせ「政府負債の対GDP比率が100%になったからって、なんだっていうんだ」とうそぶく方ですので。
李在明(イ・ジェミョン)さんは大事なことを忘れています。
先にご紹介しましたが、『IMF』イ局長が指摘したとおり、「韓国政府の負債が対GDP比率100%になっても大丈夫かどうか」は国際金融市場が判断します。
李在明(イ・ジェミョン)さんが大丈夫だと思っても、市場が「駄目だ」と判断することだってあるのです。駄目だと判断されてキャピタルフライトが起こったらどうするのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)